Eno.468 羽田虎國

決着、アヒルバトル

この島での最後のアヒルバトルをした。
アヒル像が見守る中、100年に1度、真のアヒルバトラーを決めるための闘いだ。
今回の闘いは乱闘ルールレギュレーション:バトルロワイヤルだ。
エントリーバトラーを紹介しよう。
まずは俺、羽田虎國。相棒は『フライングタイガー』。
トーベの『くわくわ・アヒルくん4号』。
イルの『ルドゥ』。
ミミックの『グリード・エルドラド』。
そして未知の勢力、パジュさんの『Kugelschreiber』!
パジュさん曰く4匹のデータは集積済みなのだとか。
これは強敵襲来だ。
5匹入り交じった壮絶なバトルが幕を開けた。

最初に動いたのはくわくわ・アヒルくん4号だ。
灼熱の凍結凍てつく世界』を発動、大技で短期決戦に持ち込むつもりだろう。
俺はすかさず『レッド・フレイム』で氷を溶かすも身動きの取りづらい状況は変わらない。
するとグリード・エルドラドが動く。
そう、重量級の彼はこういった状況変化にも強い。
氷を粉砕しながら猛スピードでくわくわ・アヒルくん4号に突進するも、くわくわ・アヒルくん4号自身も灼熱の凍結凍てつく世界を解除することで回避を試みる。
しかしくわくわ・アヒルくん4号は避けきれず『黄金の航路ゴールドラッシュ』が直撃。亀裂が生じるほどの大ダメージを負う。
しかし沈んではいない。回避に専念することで生存に特化するのだった。
隙を見つけルドゥが『スターリー・スプラッシュ』を仕掛ける。
俺も勝負に出ようと『バーニング・レッドタイガー』発動させた瞬間。

とうとう様子をうかがい続けていたKugelschreiberが行動に出る。
黒いインクが雲のようにKugelschreiberを覆い……大嵐──『Sturm』がグリード・エルドラドに襲いかかる!
グリード・エルドラドは素早い行動は不得意。ならばと耐久に出る。
だが超強力な攻撃だ。とてつもない大ダメージを負ってしまう。
好機と見たオレは、今度こそバーニング・レッドタイガーを発動させた。
ルドゥにダメージが入るがくわくわ・アヒルくん4号は逃してしまう。
ふたたび耐えようとするグリード・エルドラド。
しかしもはや限界の時を迎えた。……撃沈!
一方で炎を苦手とするKugelschreiberはすかさず空へと逃げる。

そこにルドゥが続く。
スターリー・スプラッシュの残滓だろうか。空を追うルドゥ。
本来であれば闇属性に星属性は不利だ。
しかしイルは言う。「攻撃には向いている・・・・・・・・・」と。
渦巻く暗雲を発生させるKugelschreiber。
耐えるルドゥ。そして光とともに回転し発動させた。
新しい力、『ライジング・スター』を。
データに無い行動に出るルドゥに戸惑うKugelschreiber。
しかしこれで終われないKugelschreiberによる『Gewitter』が発動、黒き稲妻が走る!
なんと……奇跡的に攻撃をこらえたのだ。

満身創痍のKugelschreiberとルドゥ。
黄金の航路ゴールドラッシュを受けた傷跡が残るくわくわ・アヒルくん4号。
大技を打ってからしばらく経つフライングタイガーは体勢を立て直した。

時は来た。
俺の想いの力。
みんなの絆の力。
そして、俺の弱き心が手にした力も手放さない。
全ての力を束にして……全てを終わらせる時!
決めろ、『ダークネス・ファイヤータイガー』!
黒い炎は立ち上り、フィールドを支配していく。
全ての色を混ぜたように。

そして。
フィールドに残ったアヒルは、ただ1匹のみ。
──フライングタイガーだ。
俺達は、成し遂げたんだ。
100年に1度、真のアヒルバトラーを決めるバトルを、俺達は勝ち抜いたんだ。
ああ……嬉しい。
ただただその一言しかない。
ありがとう。感謝しかない。
こんな素晴らしいバトルができたのは1人の力じゃない。
みんながいたからできたんだ。
トーベ。イル。ミミック。パジュさん。
アヒルバトルが紡いだ友達ライバルの絆があったからこそだ。
心の底から最高と言えるバトルだった。
本当にありがとう。

いよいよ出立の時が来る。
この島でみんなと出会えてよかった。
みんなで乗り越えた困難の数々を、俺はきっと忘れない。
もう1人の俺虎國号。フライングタイガー。
さあ行こう、次の場所へ。