Eno.78 淡島陽葵

31/道路、それぞれの / 32.いつかきっと、

-31.
 島の大部分は沈みました。
みんなで整備した道路が救助船とここを結ぶ唯一の道になった。
最後にもう一度みんなで一緒にごはんを食べるために、岩場に出かけると、なにやら浮かない様子のルーシーさんがいました。
 王子くんがどうとかと言っていた気がするけどその言葉は風によって消えてました。

「もう、無理はしないで。」


自然とその言葉を言っていた。

 …、ここにはいろいろな人や動物が流れ着く。
 モノも着くかもしれない、

私の世界では手入れが行き届いた長く使われてきた道具に魂が宿り、
それを最初から求めAI技術でうまれた多種多様な道具があります。
 ヒスイちゃんが仮にドロイドなら、
作り上げた人がこの海に流され迷っている人の手助けをしようと願いを込めてここに送り出したんだろうね。
先ほどのやり取りでアマハルちゃんもヒスイちゃんに似た存在かなと思いました。

 なら、ここから出てほかの世界をみて自身の願いを見つけて叶えて欲しい。
 
 浜辺が沈みきる前にみた不自然に途切れた足跡、誰のだろう。
透明な女の子とおっきなうさぎさんではないことは確かだ。






-32
 岩場から見るこのなにもない水平線ともあと数時間でお別れ。
食べきれなさそうな量の食材を仕込み、
その傍ら、表の方でシジリさんが元の世界で待っている人と出会ったときに食べたという
オムライスを作ってここでみんなと"星を見る"準備を進めていたり、他のみんなもお土産の準備をしたりと大忙し。

私はこの小刀におっきなうさぎさんの毛を入れた小瓶キリエルさんが研いでくれた守刀と砂と、ここに流れ着いた時に見つけたバックでいい。

 こうして、拠点と浜辺を結ぶ道だけが残った陣地をはなれて海岸に停泊している数隻の船の乗組員に行き先を確認して、私が帰るべき世界へ連れていってくれる船に乗りました。
 この船から見る島はとてもちっぽけなだけど、世界、価値観を越えて頑張ってきた証。



    この海が満たさせる時が来ますように