Eno.779 クロタネ

むだい

きっと。これから先、雨降る校舎で、雨を見るたび思い出す。

あの暗くて、ちょっぴりかび臭い船のこと。
そこでの、ちょっぴり悪い事、二人でしたこと。
あなたのめが、あかくなってしまっていたこと。
たよりになるそのせにみえた、もの。
かわりに、みせたおれの顔のことも。
どうか、あなたもしあわせになってください。

月を見るたび思い出す。
みんなで話した夜の事。
ひっそり抜け出して、二人でたべた、ひみつの味。
いつまでもおぼえていてくれるという、ふたりのやくそく。
めじるしをつけて、きっとオレもあなたをさがす。
はじめてできた、しんゆうのようなあなたのことを。

雷がなったら思い出す。
ちょっぴりこわいね、といってた話。
ぬけだして、心配して、はしってきてくれた人たちの顔。
みんなで、てをのばしたすけたこと。たすけられたこと。

それから、きっとクマのこと。

図書館で本を開いたら思い出す。
みんなで、せきひをみたこと。
それから、はまべでの作品作り。
いつか、あなたの作品がみられたら、
きっとうれしい。

星を見たら思い出す。
とおいばしょの、おはなしを。
浜辺でしてくれた、おはなしを。
あなたがくれたきっかけを。
オレはたぶん、最後にみつけられたよ。
それから、きっとたよれたんだとおもう。

しゃしんをみて思い出す。
お店に負けないくらいの服を、つくるねっておやくそく。
それからよろこんでくれたえがおを。
あなたがふるまってくれた、おいしいものの味を。
やさしいあじを。

木々に実りが出来たら思い出す。
三人でたんけんしたあの日の事を。
きのみを沢山かかえて、わらって、しんぱいしあったあのときを。
オレのこと、おこってくれたり、沢山いろんなことをおしえてくれた
ひとのこと。おないどしくらいなのに、すごくたよりになるあなたのこと。

音楽を聞いたら思い出す。
ながしてくれた、すてきな音楽。
それから、あのきれいなはなびと、おいしい味を。
沢山のちしきをおしえてくれたり、
すごく支えになってくれた方を。

ぬいぐるみをみたら、おもいだす。
みんなのかおとか、やさしさを。
オレのかお、見えづらくて、たいへんだったろうに、
つくってくれたぬいぐるみ。宝物。
あなたのやさしさを、きっと、彼女のつくってくれた
甘いデザートの味は、一生おぼえているのだろう。

ほけんしつにいけばおもいだす。
島でてあてしてくれた、あのひとを。
はじめて、しまではなしてくれたひとのこと。
かげでささえてくれていたこと、色んな人をみてくれていたこと、
じつはしってるよ。
しあわせになってねって、ねがってる。

大きな建物を見たらおもいだす。
名前を付けてと頼まれたあの日を。
みんなのヨスガとなづけたこと。
それから、すてきだとほめてくれたひとのことを。
すごく面白くて、楽しい話のちゅうしんにいてくれたあなたのことを。

ジュースをのんだら、おもいだす。
沢山、おいしいものをふるまってくれた、やさしいひとを。
だれかをきにかける、やさしいかただったのことを。
手作りのジュース。
ちょっぴりすっぱかったり、あまかったり。
とてもたのしいじかんだった。

カエルがないたらおもいだす。
弟のようにやさしくしてくれたひとのこと。
いろいろつきあってくれたり、ささえてくれたひとのこと。
どうしても、やくそくまもりたくて、がんばったひのこと。
あなたも、さがしてくれていたこと。

図工室にいっては思い出す。
あの島での出来事を、それから、沢山の物をつくっては、
いつも中心で、ささえてくれたかたのことを。
沢山のことをしっていて、とってもたよりになって。
色んな言葉に支えられたし、きっとあのひとがいてくれたから、
沢山オレも、ものづくりをがんばれたきがする。

木の香りが、風に乗ってきたらきっと思い出す。
ひっそりと沢山ささえてくれていたひとの、静かな笑顔を。
あまり多くの事をお話できなかったけれど、
あのひとが、沢山がんばってくれたのを、みていたので。
ささえられていたのだと、しったから。

あのね。

きっと。まいにちおもいだす。

みんなのこえも、おもいでも。
たのしかったあのひのことを。
美しかった島の光景を。
おいしく、あたたかく、やさしかった料理を。
誰かの手のぬくもりを、
やさしさを。
えがおを。

オレは、いつまでもわすれない。

ありがとう。

オレは、いつまでも、オレでいたい。
ゆめをおいかけて、しょうらい、みんなに作品をとどけたい。

あの日うちあげられなかった、ひとつの後悔、作品を。
こんどこそ、みせたいから。

だから、まっていてください。

いつのひか。
あなたのところにまで、とどくような。
そらにおおきな、おおきな、かがやく笑顔を、さかせてみせます。

たのしいゆめのつづきを、またどこかで








――――

――こんな噂を知ってるかい?

雨の降る日。
例の小学校の旧校舎。

そこに行くと死者に会えるらしい。

生と死の交差する世界。

だけれど気を付けて。

その校舎は生きている。

君の××を取って喰らっちまうってハナシ!











取らないよ。食わないよ。
入れ替わってしまったオレだけれど。
こわいおばけになるつもりはないもの。

それにい、入れ替わったなら
それなら、それでいいんだ。

だって。おばけなら。

いつまでも、待つことができるでしょ?
いつまでも、探すことができるでしょ?


もちろん。人に戻る方法、探すつもりだけれどさ。

■■■ ■は、クロタネは、学校の怪談として、学校にもどるだけ



もし、誰かが噂を試したのなら、会いに行くよ




学校の怪談は、きっと。雨降る異界の学校で。
誰かを笑顔にしたくて、作品作りや、お料理を続けているかも。
時折、街に出たりして。あなたをさがす。あなたたちをさがす。
もしかしたら、をしんじて。