時空の狭間の歪みにより辿り着く世界の記録――5
こちらエイデル。エイデル・ダフニエル。
魔力が安定してきましたね。オズ、聞こえていますか?
よかった。やはりちゃんと通じていたんですね。
こちら側の様子、ちゃんと記録していますか?今後の為、対策を講じるよう伝えていますか?
…ならよろしい。
これが、ここでの生活の最後の記録となります。
といっても、あまり特筆するべきことはありません…ので、この島と世界の話をまとめて記録してしまいましょうか。
――
この島は、絶海の世界に存在する原生生物の一種が集まって作られた群島。それらの上に砂が積もり、水が溜まり、木々が生えています。
それらは黒く、体の一部に極彩色を湛えています。島も意外とカラフルですね。
闇を好むようですが、人に友好的に接しています。そしてモチモチしています。
文明を求めているようですが、それ以上のことはわかりません。
漂流者は21人。ヒト、半人、獣人、動物、魔物、神族、それ以外の種族。
住んでいた世界はそれぞれ違ったようですが、一部は面識があるようですね。
植生は様々。基本的な樹木やリンゴなどの木の実の他、羊に似た形状の木の実―絞ると牛乳のような果汁を採取できた―や、小麦に似た果肉を持つ木の実が生えていたりと非常に興味深いものでしたね。
用途としては牛乳や小麦として使うことができたので、主食類にはもってこいでしょう。
流れ着いた物資も様々でした。布類、金属、タイヤのゴム、マネキン…
ようは、ゴミとして海に破棄された物でしょう。不法投棄、良くありませんね。
あるときは船―大砲や海賊帽がある辺り、恐らく海賊船―が流れ着いたこともありました。
それらの中には人はおらず、ボロボロになった書き置きや宝物が置かれていました。
きちんとした一団だったようですね。何があったか、皆いなくなってしまいましたが…
この世界の歴史や記録も手に入りましたよ。
ジーランティスは、別の世界とのつながりを開き、モノを飲み込む力を持ちます…が、それらは"後天的なもの"であると推測ができます。
レイルさんが聞いた星の記憶を彼伝て聞いたものと、復元された石板からの予想ですが…
恐らく、レムリアという国の術者が魔術を用いて世界同士の壁を開き、この世界にそういった力を付与したのでしょう。
レムリアのある世界で作られたものであろう、不思議な石も見つかったそうですね。
感情や魔力を石として固形化できる…そんな話だったかと思います。
…この世界は貪欲な飢えを与えられた、悲しき獣です。
きっとこれからも、何度も飲み込み、吐き出してを繰り返すのでしょう。…我々にはどうしようもないこと、ではあるのでしょうけれど。
…さて、このくらいでしょうか。
それ以外は、オズもよく知っているサバイバル生活でしたよ。
ほら、貴殿はよくしているじゃないですか。ふふ…
いつ帰るか……?
それはわかりません。ひとまず、行く当てのない漂流者たちを見送ってから……になるでしょうか。
大丈夫です、必ず帰ります。
お願いしている仕事、頼みましたよ。
それでは。
魔力が安定してきましたね。オズ、聞こえていますか?
よかった。やはりちゃんと通じていたんですね。
こちら側の様子、ちゃんと記録していますか?今後の為、対策を講じるよう伝えていますか?
…ならよろしい。
これが、ここでの生活の最後の記録となります。
といっても、あまり特筆するべきことはありません…ので、この島と世界の話をまとめて記録してしまいましょうか。
――
この島は、絶海の世界に存在する原生生物の一種が集まって作られた群島。それらの上に砂が積もり、水が溜まり、木々が生えています。
それらは黒く、体の一部に極彩色を湛えています。島も意外とカラフルですね。
闇を好むようですが、人に友好的に接しています。そしてモチモチしています。
文明を求めているようですが、それ以上のことはわかりません。
漂流者は21人。ヒト、半人、獣人、動物、魔物、神族、それ以外の種族。
住んでいた世界はそれぞれ違ったようですが、一部は面識があるようですね。
植生は様々。基本的な樹木やリンゴなどの木の実の他、羊に似た形状の木の実―絞ると牛乳のような果汁を採取できた―や、小麦に似た果肉を持つ木の実が生えていたりと非常に興味深いものでしたね。
用途としては牛乳や小麦として使うことができたので、主食類にはもってこいでしょう。
流れ着いた物資も様々でした。布類、金属、タイヤのゴム、マネキン…
ようは、ゴミとして海に破棄された物でしょう。不法投棄、良くありませんね。
あるときは船―大砲や海賊帽がある辺り、恐らく海賊船―が流れ着いたこともありました。
それらの中には人はおらず、ボロボロになった書き置きや宝物が置かれていました。
きちんとした一団だったようですね。何があったか、皆いなくなってしまいましたが…
この世界の歴史や記録も手に入りましたよ。
ジーランティスは、別の世界とのつながりを開き、モノを飲み込む力を持ちます…が、それらは"後天的なもの"であると推測ができます。
レイルさんが聞いた星の記憶を彼伝て聞いたものと、復元された石板からの予想ですが…
恐らく、レムリアという国の術者が魔術を用いて世界同士の壁を開き、この世界にそういった力を付与したのでしょう。
レムリアのある世界で作られたものであろう、不思議な石も見つかったそうですね。
感情や魔力を石として固形化できる…そんな話だったかと思います。
…この世界は貪欲な飢えを与えられた、悲しき獣です。
きっとこれからも、何度も飲み込み、吐き出してを繰り返すのでしょう。…我々にはどうしようもないこと、ではあるのでしょうけれど。
…さて、このくらいでしょうか。
それ以外は、オズもよく知っているサバイバル生活でしたよ。
ほら、貴殿はよくしているじゃないですか。ふふ…
いつ帰るか……?
それはわかりません。ひとまず、行く当てのない漂流者たちを見送ってから……になるでしょうか。
大丈夫です、必ず帰ります。
お願いしている仕事、頼みましたよ。
それでは。