アスエリオの手記29
いよいよ島が沈むから、
沸騰号に乗っていざ──
出港だ
◇
島での生活は、とても楽しいものでした
おはなしで読んだみたいな
美味しいものがいっぱいで
他のみんなと過ごすのも楽しくて
あっという間の休暇だったな
でもこの経験があるから
楽しかったという思い出があるから
きっと前に進めるよね
◇
私たちは、改造人間
普通の人間とは違うモノ
魔法が使えないはずの身体に
強引に呪紋を刻み込まれて
疑似的に異能を開花させられた
それが、私たち
呪紋を刻み込まれた際の
負担が大きすぎて死ぬ子もいる
生き残ってもいずれは
“作戦”の際に散る可能性のある命
私たちの命の価値は 軽い
ジェミニが死んでも
魔局長は当たり前のように
彼なりの日常を送っていました
そうだね 何にも変わらない
私たちが死ぬ程度では
魔局を変えることなんて出来ない
そんな私たちは人間とは言えない
自分を純粋な人間とは言い張れない
自分が分からなくなっていた
ならば私たちは、何なのだろう
いつか魔局を出られたのなら
その時こそ、ちゃんとした
“人間”になれますか
異能なんてなくてもいいの
私は平穏が欲しかった
それだけなんだ