Eno.398 佐藤三

⭐️

水深式、マジックショー、死者蘇生……すごく色々まとめることが多い。
多すぎててんやわんやしちゃうから、これは船の中でまとめよう。

「だから私にとってのとっておきをまとめておくね。」





最後の日は、朝から大忙しだった。
カイトくんがいきなりどこかに連れて行くから何事かと思っちゃった。
そしたらす~~~~ごい大きなもの作ってたんだよね
それを私と一緒に完成させるんだ!って言って
滅茶苦茶びっくりしたけど、いつも忙しそうに走り回ってて
私がお手伝いできることなんてそんなになかったから。


『ええい仕方ない!!これが君のやりたいことならば!
 やってやらぁ!!



「ふふ、私かなり頑張ったでしょ?」



「きっとカイト君は体が足りないくらいやりたいことが多い人だから。」



「嵐のような人だから。」



「君は呼び止めれば止まってくれる人だけど、そのための時間は私は惜しいと思ってしまう。」



「だから喰らいついてあげる。」




「君は止まっているより動いている方が楽しそうだからね!」










午後は紺くんと海で遊んだ。
思えばここに流れ着いてからただ楽しむという意味で海遊びをしたことがなかった気がする。
どうして紺くんだったかって?

それはまだ彼の宝物を貰っていないから。

私と同じでカメラに笑顔を向けるのが苦手な子。
マリメとかさ、魔法とかさ、漂流中とかさいったん全部全部置いて、忘れて、素の君と遊んでみたかった。


私は紺くんのような魔法は使えない。
てくのちゃんのような凄い発明はできない。
カイト君のような突飛な発想も行動力もない。
直哉君のように料理ができるわけでもない。

でもね、誰かを笑わせることくらいはできるんだよ。

魔法使いのマントを脱がせて。
背伸びした仮面に水をかけて。
君も、忘れちゃったかもしれない宝物を引っ張り出して。


     




「紺くんさ、ちゃんと子供っぽい笑顔できるじゃん。
 私の事お姉ちゃんだって。かーわいんだ。」



「私ね、決めてたんだ。
 絶対君の笑顔を撮ってやるんだって。」



「魔法使いでもなんでもない、御伽屋紺くんの」



カメラマンお姉ちゃんとして、被写体の笑顔はどんな宝石よりも輝く宝物なんだよ」





「学校帰っても遊ぼーね!無人島、楽しかった!