『一等航海士の日誌』
不運にも船が沈没した我々は、
救命用の筏へと逃げ込み、どうにか一命をとりとめた。
だが、本当の地獄はここから始まった。
船内の僅かな食料はすぐに尽き、醜い争いが起こった。
最後に残ったのは冒涜的な――どう冒涜的かはここでは伏せる――サンドイッチ。
そして食べられるのかすら怪しい色の茸。それからラム酒が1杯。
私と共に生き残った、見知らぬ子どもは既に限界が近い。
しかし子どもよ、あと少し耐えてほしい。
一等航海士として私は明朝、私だけが知る海流に
この筏を乗せるべく舵取りをするつもりだ。
上手く行けば、ほどなくこの海を抜けられる。
生き延びる気力を長く保つ為にも、食料はその後に分配すべきだ。
それまでは――この子が何を言おうとも、耳を貸すわけには行かない。
――生存者のいない筏から発見された日誌は、ここで終わっている。

救命用の筏へと逃げ込み、どうにか一命をとりとめた。
だが、本当の地獄はここから始まった。
船内の僅かな食料はすぐに尽き、醜い争いが起こった。
最後に残ったのは冒涜的な――どう冒涜的かはここでは伏せる――サンドイッチ。
そして食べられるのかすら怪しい色の茸。それからラム酒が1杯。
私と共に生き残った、見知らぬ子どもは既に限界が近い。
しかし子どもよ、あと少し耐えてほしい。
一等航海士として私は明朝、私だけが知る海流に
この筏を乗せるべく舵取りをするつもりだ。
上手く行けば、ほどなくこの海を抜けられる。
生き延びる気力を長く保つ為にも、食料はその後に分配すべきだ。
それまでは――この子が何を言おうとも、耳を貸すわけには行かない。
――生存者のいない筏から発見された日誌は、ここで終わっている。
「涼しくなる話、なかなか落ちが難しいね」