無題
胸いっぱいに海水を取り込んで、
俺が仮に人間に戻れたなら。
身体が水を含んで、きっと見るに堪えない水死体になる。
俺が誰だったのかも分からないほど。
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あぁ、水面が揺れる。
酷く大きな音が、振動になって波紋を広げるように。
水で満たされた耳にはそれが何かも分からない。
けれど、それらは楽しそうな揺らぎで。
けれど、それらは怒るような揺らぎで。
けれど、けれど──……
不思議と、気分が昂揚した。
だから、
うねるように、流れが。
海が大きく、闇が、口を開けている。
口を開けて、絡めとるように。
あぁそう、そう、そのまま──。
そのまま、飲み込まれる。
怖さや悲しさや後悔なんてものは、感じない。
端から持ち合わせていないし、何処かに置いてきてしまった。
何より、それらがあったとしても、自分は。
自分は大丈夫だという確信があるから。
だからずっと笑ってる。
塩辛いのはちょっとつらいけど。
俺が仮に人間に戻れたなら。
身体が水を含んで、きっと見るに堪えない水死体になる。
俺が誰だったのかも分からないほど。
ごぽり
あぁ、水面が揺れる。
酷く大きな音が、振動になって波紋を広げるように。
水で満たされた耳にはそれが何かも分からない。
けれど、それらは楽しそうな揺らぎで。
けれど、それらは怒るような揺らぎで。
けれど、けれど──……
不思議と、気分が昂揚した。
だから、
うねるように、流れが。
海が大きく、闇が、口を開けている。
口を開けて、絡めとるように。
あぁそう、そう、そのまま──。
そのまま、飲み込まれる。
怖さや悲しさや後悔なんてものは、感じない。
端から持ち合わせていないし、何処かに置いてきてしまった。
何より、それらがあったとしても、自分は。
自分は大丈夫だという確信があるから。
だからずっと笑ってる。
塩辛いのはちょっとつらいけど。