わくわくかいじょうにっぽう.3
──漣の音がこんなにも近くに聞こえているのが不思議に思える。
寄せて、返して、波打ちだつ。
潮の香りは、海辺で鼻を動かすよりもずっとずっと鮮明に嗅覚に届いている。
時折、飛沫立つのは、ヒレが海面を叩いているから。
穏やかな時間だった。
雄大で、優しい海を浴びていた。
それを見ていた。
沈み込むような深い海の底。
誰にも見つけてもらえないような深い場所。
そこに、ひどく叩きつけられてあついあつい熱が冷める。
次にバラバラになった感覚が来て、無い痛覚が痛むような。
気持ちまで落ち着いて、ああ、という落胆を覚えて。
そんな夢ばかり見ていたから。
──海の綺麗さを知らずにいる。