*いっぽうそのころ*
――某世界、某都市の教会にて。
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――ユーディットが生還する、数日前の話。
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「……そうか。
やはり消息は不明か……」
「えぇ。
此度の件で隔離中のソフィエロード領及び隣接のグリディガイア領、並びに周辺領も捜索致しましたが、全く」
「グリディガイア領主であった男爵の日記を発見し内容を拝読した結果、ソフィエロード領主である辺境伯への嫌疑はでっち上げの濡衣が確定。
領外にお住まいの親族や関係者の方々、爵位剥奪や国外追放は免れませんでしょうな」
「其の辺りも含め、ルイネハルト君には待機していて欲しかったのですが……いやはや、単身仇討ちに向かい其の儘失踪とは。
若いですなぁ」
「若いですなぁじゃないんよ。
はぁ~……辺境伯が居なくなった穴埋め、どうすべきか……」
「唯一、暴動による斬首を免れた末娘も、奴隷商人に売り飛ばされた後は行方不明ですからなぁ。
いやはや、商人達が乗っていた船が座礁から壊滅したのは本当に痛い」
「辺境伯程の人材、そうそう居ないからなぁ……
男爵の強欲っぷりは噂で聞いていたが、よもや此処までやらかすとは……」
「というか、あれ程の死毒が今まで封じられていたというのが驚きですなぁ。
西方諸国の高位司祭を総動員しても、浄化しきれるかどうかでは?」
「強欲男爵、本当いらん事をやらかしたものだよ……」
「……おや、此のタイミングで伝令書が。
何々……」
「……“隔離中の領内で発見された夥しい数の躯が、死毒効果で屍鬼化しつつある模様、要増援”?」
「強欲男爵、本当いらん事をやらかしたものだよ」
「大事なことなので」
「茶化す暇が有るならさっさと戦力増援準備ぃ!!!!」
――ユーディットが生還する、数日前の話。