Eno.232 伊藤看良

無人島メモ22

無人島、沈んじゃった。
救助船に乗せてもらってこれを書いている。

救助船の人は本当に親切っぽい……多分。
そもそも人数が多い上に各々要りそうな物資も移してきたけど全部入ったようだ。
見た目によらず馬力がある。


菊月は動物をたくさん乗せていた。
命の選別をしたくなかったという。

食糧として食われた獣と、残された獣と、助け出された獣。
意図的に選ばなくてもそこに差はあるんじゃないか?
手を出した時点でエゴだ。
天命や自然の摂理を騙らず、私欲の為に助けるって言うなら深く共感できるが……
ここらへんの考え方は人それぞれだよな。

あいつは間違っていないし、俺も間違ってない。
それでこの話はおしまい。


船旅を見越してソリには食糧や水を多く載せたけど、
最初のほうから一緒にいた小カニさんたちも持ち込んでしまった。
これは助けたんじゃない。シンプル拉致だ。
連れてきたからには家で育てるつもり。

あと、彗さんに見せたくてヒトデも連れてきちゃった。
確か甲殻類食べる種類とか居るんだっけ……。
同じ場所では育てないほうがいいな。


とかく、無事に島は出られたけど、まだ気を抜いちゃいけないな。
おうちに帰るまでが異界行だ。
このメモを最後にして、おうちに帰れることを願う。