Eno.96 バイパー

ある船乗りの手記


そもそも俺に所帯を持つつもりはなかった
正確に言えば船の奴らが所帯なのかもしれねえ
難しいことは分からない

あのガキはよく眠ってる
さっきまで殺されかけてたのに呑気に寝てる
俺が抱くと笑ってた 他の奴が抱くと途端に泣き出した
分かってるのかもしれない
馬鹿馬鹿しい

歩けるようになったらこき使ってやろう
嫌というほど何でもやらせてやる

一人でも生きられるように
お前は奴隷だ 誰の子でもないと何度でも教えてやる
それしか方法が分からない

大きくなれよ、