I and
「……あのー、本当に……いいの?」
何度目か、というような疑問の声。返される答えはいつだって同じで、そんなやりとりをする度によく分からない……温かいような気持ちが心に浮かんでいました。
「だってわたし、なんの取り柄もなくて、どこにでもある……
……ひぃ。ごめんなさい、もう言いません……」
結構本気で怒られました。
……きっとこういうのも、否定されたくて言っているような気がします。いつも正面から目を逸らさずに叱ってくれるから、それに甘えてしまっているのでしょう、たぶん。
怒られてしまった空気を変えるために、なにか別の話題を探そうとします。ひとつ思いあたりがありました。
「……あの。これから行くところって、どういう感じなの?
なんか……すっごいファンタジーって印象なんだけど。
あと、シエキ? とかいうのもよく分かんないし」
……………………説明されても、やはりよく分かりませんでした。
なんだか違う世界の話を聞いているみたいで……実際にそうなのでしょう。映画の話と言われたほうがまだ理解しやすそうです。
これ以上になにを聞けばいいのかさえ分かりませんし、実際に見たほうが早いと言われれば、きっとそうなのでしょう。
でも、ひとつだけ。ずっと引っかかっていることがありました。
「よく分かんないけどさ。わたし、誰かと一緒にいるんなら、
ほかの人じゃなくて……マイさんがいいよ。だめ?」
そう……訊ねてみました。