ほんの少し早い、どこかの誰かのエピローグ
ざぁ、ざぁ。
雨の音に混ざって、聞こえた学校のチャイムの音で目が覚める。
ふあり、とあくびを浮かべて。
静かな校舎から、変りない、外の風景を眺める。
家のベッドの寝心地を、すっかり忘れてしまって。
もはや慣れてしまった、保健室のベッドの固さ。
起き上がっては、いつかの夢を思い出す。
確かに起きた、短くて長い夢。
交換しあった、小さなお守り。
貰ったぬいぐるみ。
待ち受けになっている、皆の写真。
それをみて、微笑んで。
自分が、確かに自分であることを、再確認して、
それから少し安心して。
今日が始まる。
![]()
調子よく、学校の怪談が尋ねる。
学校の怪談は答える。
![]()
自分と同じように、学校の怪談になってしまった彼は、
どこか羨ましそうに、けれど、何か安心したように笑うのだ。
たったか、たったか。
走って、向かうは家庭科室。
料理の練習のために、ごはんを作って。
それから図工室にいっては作品作りの毎日だ。
美味しい料理を振舞う約束も、
またみんなに花火をみせるのだという、自分の目標も、
自分が作品で有名になって、誰かのところに届けたいという夢も
欲張りに叶えたいので。
― * ―
オレの名前は、みんながおぼえてくれていたら
それでいいです。そのかわり、オレはみんなの事
忘れないからね!
オレの事は何も知らなくていいです。
そのかわり、思い出を忘れないでほしい。
みんな、大事なお友達です。
だから、どんなそんざいでもいいんです。
今あるみんなが好きだから。
島のみんなが大好きです。
だから、また会えたら、えがおで会おうね。
みんなが、えがおでありますように。
みんながいてくれて安心でした。
オレは
強くて泣かない子です。
だから。
なくのなら、きっと。
みんなと再会した時、うれしさでなくくらいにしたい。
それまで、ゼッタイに泣かないよ。
島の大好きなみんなへ
ありがとう!
鉄
――
島で書いていた、手紙。
誰にも渡さなかった手紙。
小さく折りたたんで、持ち歩いている。
これは、きっと少年の願いであり、おまじないなのだ。
こわいことがあっても、
つらいことがあっても、
みんなとまたあいたいからこそ、
つよくあろうと、あきらめないでいようと、
いきぬこうと。
![]()
雨降る校舎で、少年は、誰かを待っている。
再会を願っている。
雨の音に混ざって、聞こえた学校のチャイムの音で目が覚める。
ふあり、とあくびを浮かべて。
静かな校舎から、変りない、外の風景を眺める。
家のベッドの寝心地を、すっかり忘れてしまって。
もはや慣れてしまった、保健室のベッドの固さ。
起き上がっては、いつかの夢を思い出す。
確かに起きた、短くて長い夢。
交換しあった、小さなお守り。
貰ったぬいぐるみ。
待ち受けになっている、皆の写真。
それをみて、微笑んで。
自分が、確かに自分であることを、再確認して、
それから少し安心して。
今日が始まる。
なんか、いいことあったのかい?
調子よく、学校の怪談が尋ねる。
学校の怪談は答える。
ナイショ!
自分と同じように、学校の怪談になってしまった彼は、
どこか羨ましそうに、けれど、何か安心したように笑うのだ。
たったか、たったか。
走って、向かうは家庭科室。
料理の練習のために、ごはんを作って。
それから図工室にいっては作品作りの毎日だ。
美味しい料理を振舞う約束も、
またみんなに花火をみせるのだという、自分の目標も、
自分が作品で有名になって、誰かのところに届けたいという夢も
欲張りに叶えたいので。
― * ―
オレの名前は、みんながおぼえてくれていたら
それでいいです。そのかわり、オレはみんなの事
忘れないからね!
オレの事は何も知らなくていいです。
そのかわり、思い出を忘れないでほしい。
みんな、大事なお友達です。
だから、どんなそんざいでもいいんです。
今あるみんなが好きだから。
島のみんなが大好きです。
だから、また会えたら、えがおで会おうね。
みんなが、えがおでありますように。
みんながいてくれて安心でした。
オレは
強くて泣かない子です。
だから。
なくのなら、きっと。
みんなと再会した時、うれしさでなくくらいにしたい。
それまで、ゼッタイに泣かないよ。
島の大好きなみんなへ
ありがとう!
鉄
――
島で書いていた、手紙。
誰にも渡さなかった手紙。
小さく折りたたんで、持ち歩いている。
これは、きっと少年の願いであり、おまじないなのだ。
こわいことがあっても、
つらいことがあっても、
みんなとまたあいたいからこそ、
つよくあろうと、あきらめないでいようと、
いきぬこうと。
…だから。またあえたらさ。いっぱい、あまえさせてね
雨降る校舎で、少年は、誰かを待っている。
再会を願っている。