Eno.888 橘 海翔

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— これは、僕が島から脱出した後に就いた仕事の話 —



「お~~~~~い」

島に人影が見えて。乗っていた巡航船…まほろば号をそちらへと向かわせた

「……よかった、まだ生きてるみたいだ。
 明かりと煙がぼんやり見えたから向かってみたんだ」

シマナガサレた人を救助しながら、僕はいつか自分が救助された時に
聞いた言葉と同じことを、その人に言う

「僕はこのあたりを定期的に巡視する一団のひとりだ。
 君がそうであるように……この世界は多いのさ。"そういうの"が」

まほろば号を近づけて錨を下しながら、
海兵めいた風貌をした僕は今日も幾人か船に乗せ。

この海を走る

そう、今僕は
この海の謎を知る者として
己の時を止めたまま、活動を続けている

僕が所属する「定期的に巡視する一団」がどんなものなのかって?
この不思議な海が、何故あるのかって?

それをここで語るのは、野暮だろう

「真実」は求めた人にのみ、その姿を表すものだ
聞くだけの人は、ずっと何も分からない

そんなものさ

でも、もしかして、君もいつかは知ることがあるのかもしれないね
その時には、きっと君はこの手紙を書いた僕に会っているのかな?
会えたら、嬉しいな

その時まで、どうか元気で

沈みゆく世界の中でも、きっと希望はあるものだから
忘れないで——

たちばな海翔かいと [Eno.888]より

[手紙はここで、終わっている]**