Eno.549 雪島ススギ

*ススギのはじまり

 「ススギが思い描く将来に近い方になるのが正解じゃないかな?」
 「ススギの将来の夢はなに?」


        「ススギにもお前なりに今持ってる良かった事、
          苦労していることの持ち物、あるんじゃね?
          それをもう一度、考えてみて、だな。
          えーと…この先どうするか、決めていけばいいんじゃねーかな。」


「女の子でよかったことはねぇ

 紺くんのお姉ちゃんになれたことかな!!以上!!


  「ゴハンおごってもらえます!」
  「いじょ」

      「まぁぶっちゃけ……
         おしゃれに一切お金かからんのはアドだね……」


          「ま、多様性だ何だって、  
             いろんな物事に名前が付き始めてるのも過渡期だからでしょ。
             完全に自由に振る舞うにはまだ先は長いけど、
             男も女もイイトコどりするにはけっこ~いい時代だと思うよ、俺はね」


       「女だったとしても同じように過ごしたと思うし……
         俺が俺で良かった、しか思ったことはないかな。
         ……うーん、あんまり役に立ちそうな答えじゃなくてごめんね」


   フォルムの曲線美〜!

    特有の丸みを持った形状が出やすいのは女の子の特徴だわ!
    骨格とか肉の付き方が違うのよ〜!」




みんなが色んな事を考えて、教えてくれた。

何気ないこと、重大なこと、しょうもないような、大切なようなこと。

みんなそれを全部ひっくるめて、変わりながら、それでも歩いてきたんだろうなって。



変わってないのはススギだけだった。

天使でいられるのは今だけなんだって、どこかで予感があった。

だから怖かった。変わってしまうことが。

でも、



 「君がどちらかを選んだあと、
  いずれ本当に後悔する日が来たら……」

 「僕が魔法をかけてあげる。
 時戻しの石に願いを込めて、君の時間を巻き戻すのさ」




ススギには紺ちの魔法がついてる。



 「疲れたときは、私が椅子でもカーペットでもなんでもなるから、
  休みながらきめてみる……って、提案……してもいい?」




疲れたり、いやになったら、みなもんが一緒に休んでくれる。

なにを選んでも、いやなことからは逃げてほしい、って、みなもんが言ってくれた。




大丈夫。大丈夫だよ。

身体が重くなって、羽が疲れて、飛べなくなっても。

少し休んで、もう一度飛び上がろう。

足が泥で汚れても、それは確かに地面を歩いた証。

何も恥じることはない。



大丈夫。自分で言ったでしょう?

自分にはこれができる、当たり前、って信じることが大事だって。



だから信じる。

雪島ススギは、これからもずっと、

天使だよ!