Eno.682 何森究

タイトロープ・ウォーカー

手を繋ぐ。

こうしていれば、もう独りで落ちてゆくことも、
吹き飛ばされることもない。
支え合おう。一緒に挑戦しよう。
足を踏み外すなら諸共に。

俺、お前に負けず劣らずヘビー級のつもり。
お前が推しだなんだと大はしゃぎしている最中、
俺のはらわたがどれだけ煮えくり返っていたかを見せてやりたかったよ。

お前の好きなところ、好きになれたところ、いっぱいある。
少しずつ伝えていくから、お前も教えてくれると嬉しいな。
人間、やっぱし褒められて伸びなきゃ、さ。

結局のところ、俺たち二人はよく似ていて、
あるいは全然似ちゃいなかった。
そういうところが、うまくハマり合ったのだと思っている。

血の繋がりもない誰かと、心を開き、委ね、受け止め、託し合える。

なあ。この俺にそんな思いをさせてもらえるなんて、
考えもしなかったよ。お前はどうだ?

これからの長い人生、用意されていたはずの運を
すべて使い果たした単発SSRみたいな縁。

俺たちまだまだ、自活も出来ねえガキなんだ。
じっくりたっぷり、仲良くしてこうぜ。