Eno.78 淡島陽葵

36.助けることの虚しさと、誇り

 みんなは海がよく見えるデッキでもうひと鍋囲んで、それぞれの帰る場所について
星を見ながら語り合っていました。
助け合って乗り切った14日間をかみしめるように。

その一方で、
 一度船室に戻ると、私宛のルーシーさんからの手紙がありました。
それには、

ティッキィの支えになってやって欲しい。私では力不足なんだ。
……彼女と同じように、あの二人の身を案じていたキミだからこその頼みだ。


と添えらえていた。


 島にいた時、私は生存することを第一に脅威となることをすべて排除してきた。
だから、本島の森に立ち入ることはしなかった。
人気のない甲板の一角にたたずむ妖精さんを認識できた今、
島での選択は正しかったのかちょっとだけ揺らぎました。
人数がいるから木材やツタの数は正確に把握していなかったから気にも留めていませんでした、
あの妖精さんが陣地から森に向かう道の脇に私たちに必要そうなものをおいてくれていたことを。
 いまだ、船室にこもったままみんながいるデッキに現れない彼女の為にも、
不思議な花で加工したもう一つのテーブルをおいて妖精さんと一緒に食べようと用意していたパンケーキに、

「森のお友達ともう一度、おはなししてみたら」


と書いたメモを添えて船室の前においてあげました。









だけど、彼女が会うべき妖精さんは、いなかった。


  [檻]を選んだもう一人のともだちを探しに行ったのでしょう