Eno.431 眞月 千宵子

酔いが醒めるまで

みんなでご飯を食べて、飲んで、語り合って、楽しい時間が過ぎていき。
ちょっと思考を整理したくなって席を離れ、この一週間を軽く振り返ることにした。

突然無人島に漂着して。異能が使えないことを知り。
どうなることかと思った矢先、友人を含めた他の遭難者たちと合流して。
役割分担もばっちりで、拠点はどんどん豪華になり、この時間を楽しいとさえ思えた。
今こうして脱出して、海に沈む島を見て寂しいと感じてしまったくらいには。
あと、たまに見るサバイバル動画の知識がマジで役立ったのは嬉しかったな。

自分の主な担当は、食料の捕獲とそれの調理。
命を繋ぐために命を奪う、ってのは島出る前にも振り返ったことだけど。
自分で殺して捌くのは、やっぱりちょっときついし怖かった。
仕事では刀で怪異を斬っているのに、なんだかおかしな話だけれど。

自分で言うのもなんだが、意外と自分は弱い人間だと知ったこと。これも大きな発見だった。
異能で不安を誤魔化せず、あんなに泣きたくなるなんて思いもしなかったな。

このサバイバルにみちるがいてくれてよかったと思う。
自分がオカサーで一番心を許しているのはたぶんみちるだし、素直で感情豊かな彼の前だからこそ、自分も感情を曝け出すことができたんだろう。
あれがなければきっとずっと我慢し続けて、一週間を乗り越える前に限界が来ていたかもしれない。
本当に感謝してるけど、……こんなこと本人には言えないなあ。