夜更けの星の下には
眠れない日に夜空を見上げるたび、昔の人が作った物語をなぞろうとして目を凝らしていた。
どれもこれも同じ、輝く星に見えて。その中にどんな物語を見るかなんて、誰かの勝手のように思っていたものだった。
けれども、それらの一つ一つには、確かに誰かの想いがあるのだと思うと。
つい、目で追ってしまうというのが、私の常だった。
私はこの島に流れ着き、多くの輝くものを見た。
夜には焚き火の明かりだけがともるような、静かで小さな陸地で。
炎の傍にあっても彼らの存在は眩しかった。
古き人は、名付けることを観測とした。
穏やかに巡る星のこと、彼らの持つ物語のひとつひとつを。
私はこの場所で確かに観測した。
夜空に浮かび上がる"記録"のこと、それを積み上げたひとつひとつの星のこと。
名前を知り、線で繋ぎ、その輪郭を焼き付けた。
きっと私の見つけたこれを、遠い未来のひとが"星座"と呼ぶのだ。
その輝きがいつでも私に思い出させるのだろう。
私の中に流れていた、つかの間の物語を。
この先も続く物語に……幸あれ!
*** *** ***
『冒険譚で行こうと思う』
『……え?何がです』
『次回作。ほら、途中まで書いてるヤツ、出口も見えないまま行き詰ってたから』
『……ぜ、前作と方向性違いすぎませんか!?
というか、途中まで書いてるやつってそれ、もうだいぶ完成見えてたんじゃ……』
『終わりが見えなきゃ書けてるとは言えないよお。
大丈夫大丈夫、ボクの勘が正しければ、2週間で8割はいけるね』
『その勘の勝率ってどんなもんでしたっけ?』
『だいたい2割くらい』
『…………はあ、まあ。口で言って聞いてくれるならもう原稿上がってますからね。
気分良く書いてくれるなら文句は言いませんよもう。
しかし、随分これまでと比べて前向きというか、こう……
何かいいことでもあったんですか?』
『いやぁ、なんというか…………』

どれもこれも同じ、輝く星に見えて。その中にどんな物語を見るかなんて、誰かの勝手のように思っていたものだった。
けれども、それらの一つ一つには、確かに誰かの想いがあるのだと思うと。
つい、目で追ってしまうというのが、私の常だった。
私はこの島に流れ着き、多くの輝くものを見た。
夜には焚き火の明かりだけがともるような、静かで小さな陸地で。
炎の傍にあっても彼らの存在は眩しかった。
古き人は、名付けることを観測とした。
穏やかに巡る星のこと、彼らの持つ物語のひとつひとつを。
私はこの場所で確かに観測した。
夜空に浮かび上がる"記録"のこと、それを積み上げたひとつひとつの星のこと。
名前を知り、線で繋ぎ、その輪郭を焼き付けた。
きっと私の見つけたこれを、遠い未来のひとが"星座"と呼ぶのだ。
その輝きがいつでも私に思い出させるのだろう。
私の中に流れていた、つかの間の物語を。
この先も続く物語に……幸あれ!
*** *** ***
『冒険譚で行こうと思う』
『……え?何がです』
『次回作。ほら、途中まで書いてるヤツ、出口も見えないまま行き詰ってたから』
『……ぜ、前作と方向性違いすぎませんか!?
というか、途中まで書いてるやつってそれ、もうだいぶ完成見えてたんじゃ……』
『終わりが見えなきゃ書けてるとは言えないよお。
大丈夫大丈夫、ボクの勘が正しければ、2週間で8割はいけるね』
『その勘の勝率ってどんなもんでしたっけ?』
『だいたい2割くらい』
『…………はあ、まあ。口で言って聞いてくれるならもう原稿上がってますからね。
気分良く書いてくれるなら文句は言いませんよもう。
しかし、随分これまでと比べて前向きというか、こう……
何かいいことでもあったんですか?』
『いやぁ、なんというか…………』

『旅はいつも刺激をくれるよねえ、ってところかな』