Eno.78 淡島陽葵

終幕

 すこし、足りない人数で”星”を見ました。
それは小さなプラネタリウムのようなこの海に沈めた記憶でした。
私たちを乗せた船と並走するほかの救助船もそれを見たことでしょう。

 とても残酷で綺麗な輝きを。

しばらくすると、それぞれの帰るべき場所の海域が入り乱れるようになり、
希望する方向へ向かう船に乗り換えたり泳げる人は泳ぎ、「レムリア海域」にお別れしていきました。
 アマハルちゃんとヒスイちゃんに、ティッキィちゃんのことが気がかりだったけど、
私が暮らしている世界よりもエレガン島の様に多種多様な人や道具がいてお互いに支えあっている世界がいいと思ったから、淡島行きの船に連絡を入れました。

現にもう、ティッキィちゃんに私にできることはなかったから。

「決めたんだね、実家に帰ることを。」



15日ぶりの見慣れた海の水平線に見えた私が暮らしている島はその面影を失っていました。

何もなかった「レムリア海域」の島の様に。

それでも、私は私がいるべき世界に帰ってきたんだ。
 港だった場所につき、島民向けの避難所として停泊している船で両親は待っていました。

「おかえり、ヒナタ。」



手続きが終わり、私と島民は

「ここは入れ替わってしまった。まもなく架空の村と人であふれかえるだろう」


と告げられました。両親は動じることなく、今ここにいる島民全員に移住を告げる。
ここは元々精霊さまの土地、彼がいないなら留まる必要はないと常に覚悟していたから。
 
私は決めたよ。今度はここを取り戻すために戦うと。
そして、私を探しに来てくれた団体に入隊した。