Eno.2 ロン

めでたしめでたし

あれから、少し船が進んで、何人かと別れた後、オレは船を降りて残っていた奴らと別れた。

最後は笑顔で、いっぱい手を振りながら、彼らを乗せた船が遠くオレから離れるのを見送った。

それから、船を降りたオレは砂浜を歩いていった。

実を言うとここがどこだが、オレにはわからない。けど、ここを歩いていけば帰れそうだと思った。

お土産を積めたそりを引く、砂浜を踏みしめる。

何度か繰り返したうちに、オレは森の中へと入って行った。

それからずっと深い森の中を歩いていったら…




気がついたら、見慣れた拠点にたどり着いた。

なんでこんなところに?と思ったオレは、その扉を引いて、入ったんだ。

そしたらさ、帰ってきたんだ。

そこにいたのは、7日間よりも長く過ごした仲間たち。
驚いて、振り返ってみると歩いてきた森の中じゃなくて、隠れ家への秘密の道。

帰ってきたんだ。

オレはそう理解した。帰って来れたんだ。















ギルドの仲間たちは、みんな驚いていた。

夢雨や先生はオレを見てはいきなり抱きついてきて、「おかえり」と何度も言われた。

マスターと凛兎は相変わらず無愛想で、言葉は笑っていた。

それで、緑仙は。…緑仙も相変わらずの対応で、「死んだかと思った」とか言ってきた。失礼な!オレはそう簡単に死なないぞ!

…でも、あいつは、小さな声で「おかえり」って言っていた。なんか嬉しそうな顔をしていて、オレも帰って来れて嬉しいと思えた。







その日の夜は、久々にみんなで囲んでご飯を食べることにした。

まぁ、オレのリクエストだけどな。

緑仙やマスターが作った料理を食べながら、あの島で流れ着いてからの7日間の話をした。楽しかったこと、辛かったこと、遭難者たちのこと、たくさんだ。

他の奴らは興味深そうに聞いていたけど、緑仙はなんだ、お前もかといった感じだった。

緑仙は前に流されていたからな。…だよなーそうなるよなー。

それから、島で見つけて作ってきたお土産をみんなに渡してきて…あいつのところにもお土産を持って行ってきた。



残ったものはほとんどない。
残ったのは、彼女が使っていた石と、オレがあげたマフラーだけ。

それらが置かれた小さなそこに、ポプリを供えた。加えて、星の記憶を見たことと、見た時に思ったことを話した。

話したところで、あいつが答えることは…多分ないけど。でも、約束を果たしたから、なにがなんでもちゃんと伝えたかった。

こうやって伝えることが出来たのは、力を貸してくれたあいつら遭難者のおかげだ。

ありがとう。

いくら言っても足りない。でも、何度でも言うぞ。

ありがとう。って。






























ありがとう。これでオレは。


















































教会で襲撃があった。

内装はかなり荒らされては破壊され、瓦礫の山となっている。

至るところには、赤い飛沫がある。

彼らが信仰する象徴の前には、赤い海の真ん中で倒れた人がひとり。そして、























襲撃された教会から離れた路地裏で、壁にもたれかかって動かない赤い青年がいた。






































ーここで、物語は途切れている。












































『報告書

教団の本部にて襲撃発生。首謀者は  。単独と見られる。
  教団内部及び施設の激しい損壊、多数の負傷者あり。
  悲しきことに、導き手の1人、蕣様が首謀者との相討ちにより死亡。
  首謀者はその場から逃走したが、のちに死亡した状態で発見されたと報告される。
  この首謀者は、以前から闇魔法の侵食を受けていたが、今回の襲撃では化物には成らなかった。
 今後、対策を求められたし。』







「まさか、こんなことになるとは。」



「蕣を失ったことは大変悲しいことやけど、あの子のおかげで反逆者は始末出来たわな。」



「…これからどうしよか。」






























「…お前にとっては、辛いことだが、あいつがやったことは、無駄にしてはいけない。
あいつだけじゃない。これまで逝ってしまった者たちの思いを、我々が受け継がないといけない。
これから先、さらに険しく悪夢のような道のりだろうが、進もう。」



「妖精王の復活かあいつの魔法に頼るか。」



「お前なら、どうする。」





























ーーーーーーーーーー

























物語が終わっても、物語は続きます。
果たして、物語の結末は。物語の終着点は。

…それは、誰も知りませんよね。

ですが、もしも、物語の結末を知ってしまっているのなら、

そう!あなたには物語を変えようと思うことができます!

え?どうやってと?それは簡単!

あなたのよく知る魔法を利用すればいいのです!

彼の魔法はすごいんですよ。書き換えたいところまで巻き戻せるのですから。
それに、彼はよく知っているのです。だって私が教えてあげているのですから!だから、彼に頼るのです。頼れば、希望が、可能性が広がりますから!

ただし、どこまで戻って書き換えたいかによっては…ねぇ?もうおわかりですよね。

まぁ、出来ればですけれど、それが起こるに結末を知れたら~ですよね?

なら!いつでもこちらまでおいでください!

なんせここは果ての図書館
物語の流れ着く終着点!
図書館は、私は、物語はいつでもあなたをお待ちしていますよ!

















…おや。

そうこうしている間に、どなたかがここ図書館に来たみたいですね。

ふふ、お迎えしないとですね~。



























「ようこそ、果ての図書館へ。さて、ご用件は?」