Eno.627 金色の髪の青年"イルドゥン"

『星空の便箋』

"いつか、この手紙を読んでくれた皆様へ"



"俺は元気です。
気が付いたら、星の海で揺さぶられていた所でした。
夢幻ゆめまぼろし、では無いことを信じてこの手紙を流しています。"



"俺は、あの時から少し身長が伸びました。
少しだけ驚いても怯えることは減りました。
少しだけ強くなりました。
体力は、とても付きました。"



"ポラリス、俺の妹なのですが、よく心配されるので、
体調にも気を使うようになりました。"



"また、星の精霊の中で寄り集まり、出来た騎士団の副団長をやっています。
騎士団長はデネブ、なのですが、彼が突撃するので防衛は専ら俺がやっています。 "



"あの絶海の孤島で過ごした日々を忘れていません。俺にとっては輝いている思い出でしたから。"



"火を初めて手に入れたあの時、
協力して、水を手に入れたあの時、
束になって拠点を束ねたあの時、"



"灯台に光が灯されたあの時。
温泉にアヒルを浮かべたあの時、
星の記憶を見たあの時、"



"船を育てたあの時、
脱出キットを作り上げたあの時、
輝く花火を打ち上げたあの時。"



"アヒルバトラーの頂点を決めたあの時、
筏に乗り、波に挑んだあの時、
木をひたすらに切り続けたあの時、"



"暑さにやられながらも、氷を食べたあの時、
嵐の中で、雨風を楽しんだあの時。
そして、皆様方と過ごしたあの時。"



"貴方は、どの景色が印象的だったのでしょうか。"





"また、会える日があるのなら、宙の北側に俺は居ます。"

            イルドゥン




星空が見えるのなら、こぐま座の何処かの星が、
煌めきを振りまいたような気がしただろう。