Eno.145 ユーディット

~それから~

おふねからおりたら、そこはしらない、おっきなまちだった。

きょろきょろして、あるいてたら。

おっきなたてものから、わたしのなまえをよぶひとが、でてきた。

おっきなたてものは、きょーかい?っていって、でてきたひとは、しきょーさま?だって。



しきょーさまが、ここにいていいよって、いってくれて。

それで、おうたがじょーずだから、せーかたい?にはいろうかって、いってくれて。

それから、わたしは、きょーかいのせーかたいで、おうたのれんしゅーをして、くらしていった。







それから、どうやら“法力”のそようがある、と、司教さまに、言われて。

わたしなら、きっとすごい“ふつまし”にもなれるよ、と、そう言われて。







「…………えぇ、えぇ。
 今となっては、懐かしい想い出です」

「あの頃の私は、本当に物知らずで……
 本音を言いますと、思い出すのが恥ずかしくて、穴が有ったら入って引き篭りたい位に」


「……それでも。
 あの日々は、確かに掛替えの無い“宝物”なのです




「結局、頂いた此れ等連絡先と名刺は、今まで使うことは無かったけれど。
 其れでも、大切に保管させて頂いております」

「名刺の方は、魔性の気配がするから捨てなさいって何度も言われましたけれど。
 勝手に捨てられなかった辺り、司教様も理解してくださってたのでしょう」




「私の方では、もう17年の時が過ぎた。
 あの時の皆様は、今どうなさってるのか……」

「今の私を見たら、どんな顔をなさるのでしょうか。
 あの時の無知な子供が、今では教会の異端審問官……だなんて」

「……ふふ。
 此れは此れで、お会い出来た時が楽しみですね」




「さて、そろそろ行かなくては。
 何処へって……実は、審問の任務が先程舞い込んできまして」

「今回は、私一人で……と指名がされているそうで。

 えぇ、えぇ。
 勿論、備えは万全にして向かいますとも」



「では、私は此れで。
 ……あなたにも、主の御慈愛が注がれますように」








――其の後、異端審問の為に向かった先は、グリディガイア男爵の親族だった者達が計画した罠で。
地位剥奪と追放の逆恨みを、最後のソフィエロードである私にぶつけ、血筋を根絶しようとしたもので。

生死を彷徨う私に、哀しげに煌めく光が、優しく寄り添って。



――そうして、其の日。

―ユーディット・ラーエル・ソフィエロード―は、
«聖涙竜ソフィア»の裔として、竜の眷属乙女として覚醒して。


其れまでの自分敬虔を志す信徒から、生まれ変わる人間を辞める事と成る――






シマナガサレv2.0 お疲れ様でした!!
縁があったらクリトラで会おうな!!!!→:/ http://ct.428.st/?mode=profile&eno=123 /: