歩き出す男
救助船が、毒にまみれた俺の国にたどりついて、停まった。
誰もいない浜辺に降ろしてもらって、故郷の土を踏む。
毒の海をものともせずに進んできた船は、振り返ると姿が無い。
きっと、俺の常識の中におさまるものではないのだろう。
流された島も、海続きの場所にある外国とかじゃなくて。
出会った皆も、たぶんそうなんだろうって、薄々わかっていた。
だから今更もう、不思議ではない。
ただ、楽しい時間があったこと。それが確かな現実だった。
何も見えない水平線をしばらく眺めてから。
緑の見えない陸地へ、体を向けて、足を動かす。
背負った荷物籠には、大事なおみやげがつまっていて。
体の中には、栄養と、ちゃんと芯の通った元気がつまっている。
手には、透明な杖もある。重さも形もないけれど、支えになるもの。
神さまと言う名の、目に映らず、体に触れぬまま、支えてくれるもの。
さて、まずはどこかの支部にたどり着かないとな。
足を動かす。前へ。先へ。未来へ。
その元気をもらったから。どこまでも。どこまでも。
いつかを目指して、歩いて行く。
誰もいない浜辺に降ろしてもらって、故郷の土を踏む。
毒の海をものともせずに進んできた船は、振り返ると姿が無い。
きっと、俺の常識の中におさまるものではないのだろう。
流された島も、海続きの場所にある外国とかじゃなくて。
出会った皆も、たぶんそうなんだろうって、薄々わかっていた。
だから今更もう、不思議ではない。
ただ、楽しい時間があったこと。それが確かな現実だった。
何も見えない水平線をしばらく眺めてから。
緑の見えない陸地へ、体を向けて、足を動かす。
背負った荷物籠には、大事なおみやげがつまっていて。
体の中には、栄養と、ちゃんと芯の通った元気がつまっている。
手には、透明な杖もある。重さも形もないけれど、支えになるもの。
神さまと言う名の、目に映らず、体に触れぬまま、支えてくれるもの。
さて、まずはどこかの支部にたどり着かないとな。
足を動かす。前へ。先へ。未来へ。
その元気をもらったから。どこまでも。どこまでも。
いつかを目指して、歩いて行く。