塔の図書館のお話
これはその領域から帰ってきた後の話。
「そういう話だったわけですが」
灰色の少女は口にする。
「ああ、だからお客さんも連れてきていたんだね」
髪の長い少女は口にする。
「なかなかおもしろかったです。仕事はしましたが」
灰色の少女は言葉にする。
「そうだろうね。私達はそういう仕事だし。……堪能してきたかい?」
髪の長い少女は言葉にする。
「…………かなり」
灰色の少女は声にした。
「…………ならよかった。じゃあ、今日は休んで構わないよ」
髪の長い少女は立ち上がる。
「よろしいんですか?」
灰色の少女は問いかけて、
「もう一人帰ってくるまではね」
髪の長い少女は振り返る。
それだけ聞くと。
灰色の少女も立ち上がる。
行先は、これから休むべき場所。
――他の世界の海への旅路、客人を連れて行きながら。