Eno.9 神官イメルの日記

神託通信②『旅の目的』

「神官よ。聞こえますか?
 昨日の話の続きをしますよ」


「おかけになった神託は
 神波の届かない場所にいるか、
 神源が入っていないためお繋ぎできませ……」



こやつ今日も傾きよるわ……
 神官よ。あなたは自分の使命を覚えていますか?」



「魔王の討伐と人類の勝利ですね」


「よろしい。
 ではその過酷な使命を、
 敵と仲良くしていて達成できるのですか?」



「できるんでしょうか?」


こっちが聞いてるんだが???
 無理でしょ。お前そういうの出来ないでしょ」




「できますよ!
 今は手を組んでますが、魔王は母イメリアの仇!
 情になど流されません」


できないって
 じいちゃん知ってんだからね」


「きゃあ」



「母の仇とか、滅びた村を魔王領から取り返すとか、
 お前はそういう理由で戦える子じゃないでしょ」





「私は知っていますからね。
 お前が旅に出た1番の目的は……」



「……」







「メチャいっぱい人助けしたかっただけでしょ」


「💫」





「その並外れた人助け根性が評価され、
 年若いお前が勇者の旅に選出されたというのに、
 今はそれが足枷になってしまうとは……」


「しかし教皇様。
 困ってる人を助けるのはよいことでは」



「相手が魔族なら話は別じゃん!
 いいですか神官!
 魔王軍との協力体制を、今すぐ解消しなさい!」







「だめー」


「だめなのぉ?」


「この島を出るまでは同盟は維持します。
 今はゲンバノハンダンにお任せください」


「魔王軍と協力してるとか
 王都にバレたら結構な問題になりそうじゃけど」





「じいちゃんは黙っててくれるでしょ?」


「クソ孫」