Eno.9 神官イメルの日記

神託通信③『サボりではなく』

「神官よ、魔王軍の様子はどうですか?」


「そんなに魔王ちゃんの事を気にするなんて……
 もしかして教皇クン、魔王ちゃんのこと……」


「そういうんじゃねーし。
 純粋に危機感から聞いてんだよ!」




「いつも通りですね。
 魔王も四天王も他の皆さんも。
 特に魔王軍で大きな事件は起きていません」


「勇者側はどうですか?」


「聖剣が勇者の2キルを達成しました」


「アチーブメントみたいに言うじゃん。
 相変わらずのようですね、勇者殿は」




「例の兆しは現れていませんか?」


「ありえません」


「よいでしょう。
 じゃあ、さむらいちゃんやアンちゃんは?」


「教皇様ちっちゃい女の子好きですよね」


「ロ、ロロロロロロリコンちゃうし!
 過酷な旅で疲れてないかなって思っただけだし」




「二人ともそんなやわではないですよ。
 それにエビがしっかり見ててくれますからね」 


「あの妖精族の少女ですか。
 幼少時に両親を失くして孤独に成長したあなたが
 母の面影を求めて慕っているあの子ですね」


「言い方ひどすぎなぁい?」


「……思い返してみれば、掃除に洗濯、料理に勉学、
 子供のころから一人でなんでも出来たあなたが、
 ずいぶんと人を頼るようになりましたね」


「私は勇者一行の神官ですからね。
 何でも1人で出来るのは当然のことです」





「でも旅に出てからだいぶサボってますよね」


「はい」


「サボってもいいのですか?」


「甘えているのですよ」