俺は地の底で生まれた。
正しくは洞窟状のゴブリンの巣で"戦利品"だったのか、ゴブリンの子供だったのか、
もう知るすべはもうない。

「ゴブッ」

「ギャッギャ」

「コノプロジェクトニアサインサレマシタ。ASAPデオネガイシマス」
ゴブリンに言葉を使えるほどの知能はない。
足が2本あって手が2本ある小さめの存在を勝手に仲間と認識したのだろう。
そのへんに転がって、獣の鳴き声に囲まれて正体のわからぬ肉や汁を与えられた。
凄まじく腹が痛くなって高熱が止まないときもあった。

「…………」
唯一看病してくれたのが、オイボレのゴブリンシャーマン。

「𐎭𐎠𐎡𐎩o𐎲𐎢𐎿o」
そのゴブリンは不思議な鳴き声で鳴いた。
彼の持って来る食事はなんだか嬉しかったし、痛くならない。
美味しいを覚えたのは、そのときだろうか。

「グルルル……」
すべてが破壊されるのも唐突。
皆が丸い大きな白い石を持ってきたかと思えば、大きいのがついてきた。

「𐎹𐎢𐎢 𐎴𐎡𐎥e𐎽」
オイボレに連れられて俺は暗い穴から出された。
ゴブリン特有の細い爪が、腕に食い込んで痛かった。
初めて見る緑と青の光景。
後に言葉というものを知ってその場所の名前を知った。
蒼き森、と。