Eno.9 神官イメルの日記

神託通信⑤『愛』

「神官よ、今日の報告を……」


「…………」


「おや、それは例の石碑ですか。
 その地が元々エゾデスであったかどうか調べているのですか?」


「いえ、これはエビに出された自由研究の課題でして。
 それに、どちらかというと私が調べたいのは、この術の方です」


「外界の糧を飲み込んだという?」


「えぇ。 これはおそらく……
 ……いえ、それはそれとして、教皇様」


「なんでしょうか」






「男性同士で愛というのは成立するものでしょうか?」


「うほっ」


「実は先ほど愛の騎士プラムが、
 いつも喧嘩してる男の怪我を治療する男を見て、愛と呼びまして」


「もっと頂戴」


「そう言われた男の方は否定してたし認めようとしていなかったのですが」 


「最高」


「そもそも同性で愛というのはおかしいのではないですか?」






「神官よ、お前はまだまだ修行が足りませんね」


「愛は時として形を選びません。
 男性同士でも愛が芽生えることは十分あります」


「それは結ばれることもあれば結ばれないこともあります。
 愛には7つの愛があり、体、心、思い出、さまざまな結びつきが愛と呼ばれます。
 我々の教徒がよく言う隣人愛もこの中に含まれます」


「その男性同士がそうとは言いませんが、
 素直になれないことも愛、放っておけないのも愛、弱みを見せるのも愛なのです」


「最近はそういった愛への理解が進んでおり、
 女装少年、男の娘、TS。さまざまな分野で愛は広がっているのです」






「結局のところ全部ホモでは?」


「なんだァ?てめェ……」