Eno.9 神官イメルの日記

神託通信⑤『土地不足』

「……」


「教皇様、そろそろ復活してくれませんか?
 さむらいが三十路だったから何だと言うのです」


「べべべべべ別にそれで凹んでたんとちゃうわ!
 また食糧難の件で陳情が上がってきていましてね」





「人類の領土が不足してるのが原因で、
 田畑から採れる作物が少ないせいですね」


「左様です。
 人類の劣勢は今に始まったことではありませんが、
 そもそもエゾデスの大地が少なすぎるのです」


「思えば人魔戦争の火種となったのも土地不足からです。
 この地に住まう民が永遠に抱え続ける問題でしょう」





「もし仮に我々が魔王を倒したとしても?」


「一時的に人類が救われるのは間違いありません。
 しかし魔族の文明は滅ぶでしょう」





「もし私たちが負けたら」


「人類の文明が滅びます」






「もしアンスティも三十路だったら」


「お爺ちゃんが滅びます」





「…………」


「どうかしましたか?」


「いえ、フフフ。
 自由研究のネタが面白いとこに着地する予感がしまして」


「……??? 」





「……ねぇ、教皇様」


「はい、どうしました」




「良かったですね、孫が天才で」