Eno.1 勇者の日記

 

 







蒼き森。


永遠と続く森と、湖畔、川。

出会うのは魔物達と、精霊と、或いは妖精ぐらい。

「𐏃O𐎹O」



精霊はオイボレと同じ鳴き声をしていた。
その頃は……困っている、喜んでいる、怒っているなどを伝えてくれていることだけはわかった。



毎日木の実をもいで、時には魔物を狩り、石でほぐして口に運ぶ。
なんで自分には魔物にあるような強靭な牙や爪がないのだろう。
それがあればもっと簡単に食べ物を得ることが出来たのに。

自分は魔物では無いのだろうか。
だったら精霊やオイボレのように、熱くていたいものを出したり、見えない力で吹き飛ばしたりしてみたかった。








ある日、美味しそうなのを見つけた。
水辺の匂いがする。
"コレ"は食べれる。おいしくみえる。


「⋯拾い食いすな⋯⋯!!」




"コレ"は聞いたこともない鳴き声を上げた。
思わず吐き出した。






今思えば、それは知恵の果実だったのだろう。
吐き出したはずなのに、身体の奥底にそれは浸透していった。