神託通信⑦『全部しゃべってみた』

「……と、いうわけです」

「えーっと」

「ちょっと今の報告の内容を繰り返しますね」

「はい」

「まず勇者殿が、
自分が邪神の転生体であることに気づいたと」

「はい」

「そして勇者の使命である魔王討伐はしたくないと」

「はい」

「さらに、かつて邪神が食べつくした
エゾデスの大地を復活させたいと」

「はい」

「でも邪神の胃袋は異世界と繋がっていたので、
まず異世界とエゾデスを接続する魔法が必要になると」

「はい」

「その接続魔法に必要な
7592万6200節という膨大な魔術式を、
今アンちゃんがデスマで書いてると」

「はい」

「そして異世界とエゾデスを接続したら
聖剣の力でエゾデスの近くまで島々を引き寄せると」

「はい」

「そんで私たち一族秘伝の雷の聖剣を
おじいちゃんに相談なくさむらいちゃんに継承しちゃったと」

「はい」

「そしてアンちゃんが私のことを好きだったと」

「は?」

「さらに」

「勇者一行の方針は以上のようになったので
エゾデスに残っている王族や貴族から暗殺されないよう
私に裏工作と説得をしておいてほしいと」

「はい!」

「 」

「教皇様。
教皇様は10年前、母と二人で魔王に挑みました」

「そんな少人数で戦わねばならなかったのは、
当時、人類側のトップの意思がバラバラだったことが原因でした」

「王家貴族のしがらみから来る嫌がらせで、
仲間はあなた達の元から離れ、
たった二人のパーティーで魔王と戦わざるを得なかった」

「その後悔からあなたは10年間で
今の地位と権力を手に入れた。
私たち次代の勇者パーティーを権威から守るために」

「……」

「今がその時です」

「ク、クソ孫がよ~~~
生意気に育ちやがって」

「ですがもう分かりましたから。
人類側はなんとかするから。
アンちゃんのご実家が大変な件もなんとかするから」

「お前はそのシマにいる仲間たちと一緒に」

「さっさと世界を救ってきなさい」