RECORD

Eno.378 カナリア・クリフォード・ディアの記録

令嬢、贈り物に込める願い

名を伏せての贈り物は、不安が半分、安心が半分。

その人のことを考えながら選ぶ贈り物は、緊張する。
喜んでもらえるか、自信がない故に、或いは手を煩わせないように。
或いは時間を取らせないように。
だからこそ令嬢は名を伏せる。

彼らがどんな人であれ、どんな問題を抱えているのであれ。
自分なりに思い、向き合って、話して、できる限りで理解して、できる事は考えて。

――それが例え、小さな思いで、願いで、祈りでも。
――もしかしたら、彼らにとっては歯牙にもかからない、たかが矮小な人間の意味のない願いでも。
――願うだけで、己には何もできないのだとしても。







どうか。幸あれと。






























もっとも。
昨今良く贈るあのひとへの贈り物は。
想いを乗せたものであるけれど。