RECORD

Eno.367 フィリア・バルナルスの記録

日記13

―― ミラが深く追求する人間でなくてよかったと思う。

自分は戦闘狂『ではない』。そのように振る舞っているだけだ。
獣らしく在ることに価値があるから、獣の真似をするようになった。
それが基盤となって獰猛な自分が生まれた。
そんな、『嘘』の部分の振る舞いだから本心ではない。
そもそも『戦いが好き』という部分が真ではないのかもしれない。

けれど、ミラに言ったことは嘘ではない。
戦いを通して相手が見えることも。
強さに真っすぐで勝利に貪欲な者に触れることも。
俺という存在が観客を沸かせ、熱狂させることも。
そのどれもが俺にとっての戦う理由だ。


俺にとっては、戦闘は『ツール』だ。
手段であり、人の心に訴えかけるための手段。
いつか世界が変わるきっかけになればいい。
弱い野性でも、存外に何とかなるのだと知らしめることができれば。

少しでも、弱い野性の者でも強くなれるのだと証明できたならば――



憧れに近づくために。
夢の実現のために。
俺は、戦うことに理由があるから。

俺はきっと、死ぬまで戦うのだろう。


戦えなくなった獣に、価値などないから。
戦えなくなったときが、俺の死だ。