RECORD
Eno.218 ---の記録
【熊の頁】
今日でここを去ります。
剣技の実験的な事は出来ましたが、
色々あり過ぎて、修行にはならなかったかもしれませんね。
この闘技場では命も痛みも娯楽のひとつ。
僕はその在り方にずっと疑問を抱いていました。
あの鬼を殺めた時、二度と目覚めなくなったその遺体と、それにすがるあの彼の様子に、僕はあろうことか安心してしまった。
『これが本来の死の形なんだ』と。
死んだものは二度と帰らない。
持てる力や技術を用いて魂だけをどうにか引き留める事は出来てもそれすらも禁忌と言えるほどに業の深い、残酷で危険な行為。
それでも僕があの鬼を引き留めるのは、鬼がこれまで犯した罪がひとつの死で賄えるものではないから。
そして、鬼を彼に会わせたいから。
他にも理由はいくつもあります。
けれどそのほとんどが僕のエゴで、つくづく自分はもう神格としての能がないのだと痛感します。
僕はもう神では無く、怪異。
傲慢と欲だけで生きている化け物。
僕も、この罪人の鬼と何ら変わらない。
ただ選ぶ道を違えただけに過ぎない。
だからこそ見放せないのかもしれません。

色とりどりの紙吹雪がごとく散っては舞い上がる闘士達の命に願います。
どうかその命が真に終わる時
その時は痛みも苦しみもありませんよう、
罪もけがれも洗い流されますよう、
お祈りしております。
剣技の実験的な事は出来ましたが、
色々あり過ぎて、修行にはならなかったかもしれませんね。
この闘技場では命も痛みも娯楽のひとつ。
僕はその在り方にずっと疑問を抱いていました。
あの鬼を殺めた時、二度と目覚めなくなったその遺体と、それにすがるあの彼の様子に、僕はあろうことか安心してしまった。
『これが本来の死の形なんだ』と。
死んだものは二度と帰らない。
持てる力や技術を用いて魂だけをどうにか引き留める事は出来てもそれすらも禁忌と言えるほどに業の深い、残酷で危険な行為。
それでも僕があの鬼を引き留めるのは、鬼がこれまで犯した罪がひとつの死で賄えるものではないから。
そして、鬼を彼に会わせたいから。
他にも理由はいくつもあります。
けれどそのほとんどが僕のエゴで、つくづく自分はもう神格としての能がないのだと痛感します。
僕はもう神では無く、怪異。
傲慢と欲だけで生きている化け物。
僕も、この罪人の鬼と何ら変わらない。
ただ選ぶ道を違えただけに過ぎない。
だからこそ見放せないのかもしれません。

「お世話になりました」
色とりどりの紙吹雪がごとく散っては舞い上がる闘士達の命に願います。
どうかその命が真に終わる時
その時は痛みも苦しみもありませんよう、
罪もけがれも洗い流されますよう、
お祈りしております。