RECORD
Eno.367 フィリア・バルナルスの記録















『天津風 Ⅸ』

カミール
「…………」

タルタニア
「カミール、お前はあれでよかったのか?」

カミール
「ひゃあ!?
えっあ、あーっと、ご、ごめんなさいごめんなさい!
さっきは騒ぎを起こしちゃって!」

タルタニア
「構わん。あの程度騒ぎにも入らないさ」

タルタニア
「しかし。お前はあの後家を出て、
あの物好きな研究者共に拾われたらしいな。
あれは私の知り合いでもあるから、お前のことをあいつらに任せてよいとは信頼しておるが」

タルタニア
「フィリアは、お前が親の元で暮らしていて、お前が自分のことを嘲笑っているのだと思い込んでおるぞ」

カミール
「……それで」

カミール
「それで、フィリアちゃんが生きやすくなるんだったらそれでいい、って思ってます」

カミール
「ここがどういう街かは教えてもらいました。
強さが全てで、強さで自分の価値が決まる。
だからどうして両親がフィリアちゃんを捨てたのかも、私は可愛がってもらえたのかも」

カミール
「私が本当のことを話したって、フィリアちゃんと私じゃあ野性ランクが違うことは事実。
捨てられた過去も変わらない。
きっと……無理に傍にいることは、妬んで、辛くなっちゃうと思うから」

カミール
「だから、そうやって苦しくなっちゃうくらいだったら。
私は、嫌われたままがいいよ」

タルタニア
「……」

タルタニア
「……お前たちは、本当にどうしようもないくらいに不器用だな」

カミール
「……そうだ。それで、えーと……お名前は……」

タルタニア
「タルタニア・イベリアル。P1 E-γ Newtだ」

カミール
「えっと、タルタニアさん。お願いがあるんですが、聞いてくれませんか?」