RECORD

Eno.164 メフィスの記録

黒が視ている

『黒』の権能。それは全てを覆いつくす、下りてきた夜の帳。
築いた記憶も、向けられた猜疑心も、果てには存在すらも。
ことわりを歪め、定義を崩し、あらゆるモノを掌握して塗りつぶす絶対の色。



黒は他色の無粋な介入を許さない。混ざる色など、いずれ全ては濁り染まってしまうのだから。

黒は不躾を許さない。全ての色は跪くために存在しているのだから。

黒は、物語の行使を許可しない・・・・・



今宵の戯れなど泡沫の夢。
夜明けを迎えたあなたたちは、向けていた感情も、不都合な・・・・記憶も、全て塗り潰されてしまっているのかもしれない。

勿論、そうではないのかもしれない。





しかし、黒は嘲笑わらう。

機嫌を損ねれば、仔山羊の小さな首など指先一つで落ちて・・・しまうのだと。













黒が、視ている。