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Eno.367 フィリア・バルナルスの記録
少しだけ、整理する。
強さが全てではない、と人は説く。
けれど、自分には強さが全ての世界で生きている。
だから、『俺』というアイデンティティがある。これが揺らいでしまえば、それこそ自分は崩壊する。
もし揺らがずいたとしても、元の世界に帰った後に悪影響が出る。
だから、この芯は決して覆してはいけない。
同意をしてほしいのではなく、自分という存在を守るために必要な思考。
そんな世界に叛逆したいから。
弱肉強食の世界の、弱者として。弱者の導きとなりたいから。
いつか、能力的な才能など関係なく頂点に君臨する百獣の王をこの目で拝みたいから。
それから、弱さに関してはやっぱり人には見せたくない。
導きとしてふさわしくない。弱者には価値がない。己の手で己の価値を崩すわけにはいかない。
一方で、お節介をかきたい人というのは居て。
あの人のいい神は、それこそ人のために無償の愛を差し出すのだという。
そういう性格で、そういうもの。自分が人の部屋を掃除したがることと、同じこと。
そう分かれば、テンタティブに対しては2人きりであればその優しさに甘えることができる。
他者に見せるわけにはいかないから、2人きりのときだけ。
最も、ここでは私の目指すアイドル像は不要だから、別に意識する必要はないのだけれども。
帰った後、こんなに泣き虫な私が露見しっぱなし、となれば都合が悪い。


頼ることに抵抗はない。人を頼らなければ生きていけないのだという自覚があるから。
ただ、弱い部分を見せたくない。弱者に成り下がりたくない。
ましてや、助けてなんて言えば破滅を迎えるだけの言葉だと思っていたから。

『私』のことを、『俺』の目線から見てみる。
……傷だらけの子ウサギがそこにはいた。
『俺』に任せて、草むらに姿を隠して。
出てきそうになれば、『俺』が攻撃してでも無理やりひっこめた。
そんなことを繰り返していたから。『嘘』と『本心』の境界線も今や曖昧で、己の感情に疎いことがある。
多重人格というほどのものではない。嘘をついて演技をしているという自覚があるから。
その根本は、『私』に収束している。
どうしたいか。聞いてみた。
目の前の人に触れたいと返ってきた。
信じたいのだと、答えた。
だから。
そのためにも、知るべきだと。
常套手段の嘘ではなく。深入りしてでも知りに行くべきだと。
臆病なまま、傷を見ないフリして過ごすことはできるけれど。
傷は、放っておけば膿んでいく。そうなる前に。

少しだけ、泣き虫で臆病な自分と向き合おう。
日記18
少しだけ、整理する。
強さが全てではない、と人は説く。
けれど、自分には強さが全ての世界で生きている。
だから、『俺』というアイデンティティがある。これが揺らいでしまえば、それこそ自分は崩壊する。
もし揺らがずいたとしても、元の世界に帰った後に悪影響が出る。
だから、この芯は決して覆してはいけない。
同意をしてほしいのではなく、自分という存在を守るために必要な思考。
そんな世界に叛逆したいから。
弱肉強食の世界の、弱者として。弱者の導きとなりたいから。
いつか、能力的な才能など関係なく頂点に君臨する百獣の王をこの目で拝みたいから。
それから、弱さに関してはやっぱり人には見せたくない。
導きとしてふさわしくない。弱者には価値がない。己の手で己の価値を崩すわけにはいかない。
一方で、お節介をかきたい人というのは居て。
あの人のいい神は、それこそ人のために無償の愛を差し出すのだという。
そういう性格で、そういうもの。自分が人の部屋を掃除したがることと、同じこと。
そう分かれば、テンタティブに対しては2人きりであればその優しさに甘えることができる。
他者に見せるわけにはいかないから、2人きりのときだけ。
最も、ここでは私の目指すアイドル像は不要だから、別に意識する必要はないのだけれども。
帰った後、こんなに泣き虫な私が露見しっぱなし、となれば都合が悪い。

「でも、テラス席でシアーナとかフィールリーンとかには手ぇ繋ぐか?
って言われて頼れたんだよな」

「……まあ、そうか。
別に嫌われても、あいつらならまだ割り切れるし、
人を頼るのは当然のことだもんな」
頼ることに抵抗はない。人を頼らなければ生きていけないのだという自覚があるから。
ただ、弱い部分を見せたくない。弱者に成り下がりたくない。
ましてや、助けてなんて言えば破滅を迎えるだけの言葉だと思っていたから。

「…………知らなかったな。
なんてことはない、って思ってたのに」
『私』のことを、『俺』の目線から見てみる。
……傷だらけの子ウサギがそこにはいた。
『俺』に任せて、草むらに姿を隠して。
出てきそうになれば、『俺』が攻撃してでも無理やりひっこめた。
そんなことを繰り返していたから。『嘘』と『本心』の境界線も今や曖昧で、己の感情に疎いことがある。
多重人格というほどのものではない。嘘をついて演技をしているという自覚があるから。
その根本は、『私』に収束している。
どうしたいか。聞いてみた。
目の前の人に触れたいと返ってきた。
信じたいのだと、答えた。
だから。
そのためにも、知るべきだと。
常套手段の嘘ではなく。深入りしてでも知りに行くべきだと。
臆病なまま、傷を見ないフリして過ごすことはできるけれど。
傷は、放っておけば膿んでいく。そうなる前に。

「……うん。頑張ろう、私」
少しだけ、泣き虫で臆病な自分と向き合おう。