RECORD

Eno.216 アヤト・キリシマの記録

暗影と黎明 5

アヤトが黒いアヤトに敗れてから、数日後。
深夜、ひと気のない路地裏にて。

「さァて、と……。
霧島文人の格付けが住んで、お遊戯も遊んだ遊んだァ。
もうここに用はねェか……」



黒いアヤトこと、シャドウと化した平行世界のアヤトは一人、
路地裏で黄昏ていた。

「結局、お前ェじゃ俺を止めるこたァ出来なかったな……。
まァ物事ってのは望むように……ん?」



外から、足音が聞こえる。

「……オイオイ。
折角見逃してやったのに命を捨てに来たってかァ?
バカだねェ……霧島文人」


「……」


「今更ここに来たってんだ、
イイんだな?完膚なきまで心を折っても。
シアーナ・ラナスを処刑し続けてもなァ!?クハハハハハッ!!」



高笑いする黒いアヤトに対し、静かに睨みつけるアヤト。

「それをさせないために、ここに来た。
お前を止めるために……お前の絶望を背負うために」


「…………は?
止める……?背負う、だと?オマエが、俺様の絶望を?」


「……クク……何を言うかと思えば……!
こないだ強く殴りすぎちゃったかなァ!?らしくないジョークだぜ!クハハハ!!」



再び笑う黒いアヤトに、アヤトは首を横に振る。

「冗談なんかじゃない。
俺が冗談や世辞が苦手なのは、俺であるお前も知ってるだろう?」


……フザけんじゃねェ!
テメェ、俺様に勝てないとわかれば、今度は媚でも売ろうってのか!?」


「……勝てるさ。
お前の絶望を、超える。そのためにここに来たんだ」



大剣を構え、もう一人の自分に突きつける。

「クク……そうかよ……!
じゃあ仕方ねェよなァ……?」


「心を折るなんて生温ィ!
テメェが二度とフザけた口も利けねェよう、理解らせてやらァ!!
霧島文人ァ!!



大剣と大剣、炎と炎。今、激突が始まる―!