RECORD
暗影と黎明 6
Bo5の実際のレギュレーションと異なるシーンがございます。

1手目。
振りかぶる大剣と大剣がかち合い、激しい鍔迫り合いとなる!

「クク……さァ、どうする霧島文人!?
テメェの手なんてオミトオシなんだよォ!」

(やはり……手の内は読まれている……!
だが、焦るな、まだ仕掛けるところじゃない……!)
互いに大剣の重みを背負いながら、体制を取り直す。

2手目。
続いて炎を纏った大剣を互いに振り回す!
想いを乗せた剣技も、またも相打ち。

「キレイゴトなんて辞めろ!
テメェ、母さんが信じてたやつらに何されてたか知ってんだろうがよ!」

「それでも!デイブレイクのすべてが悪ではないと俺は知っている!
本当の意味で希望になろうとしている人たちだって居るんだ!
そんな人たちを捨て置くことはできない!!」

「ほざきやがる……!
テメェの心の弱さは、誰でもない俺が一番知ってるんだぞ!!」

3手目。
下段を狙った斬り払いも、やはり相殺されてしまう。

「フゥ……フゥ……わかってんだろがよ、霧島文人!
テメェじゃ俺様は倒せねェ!それはもう、前回の戦いで見せたはずだァ!」

「……だったら、撃ってみろよ。
躊躇う必要なんてないだろ……?
それで終わらせられるんだったら、撃ってみろよ!」

「……テメェが……俺様を煽るなァ!!」
激昂する黒いアヤト。
そのまま大剣を地面に突き立て、手を前に突き出す。

4手目。突き出した手から、シャドウの力を引き出し、
負の感情が凝縮された暗黒の闘気をアヤトへと放つ!

「くっ……ぐあぁぁぁぁぁっ!!」

「フゥ……フゥ……バカにしやがって……!
煽るだけ煽ってさっきまでの威勢はどこにやったァ!?
もういい……このまま壊してやる……!テメェを、俺様の奥義でなァ!!」

(た、耐えろ……!
奴は次で勝負を付けに来る、勝機はそこにある……!
目覚めたギフト……シアーナと特訓して、モノにした力で!)

「お前を……止めるッ!!」

5手目。
黒いアヤトが繰り出そうとした奥義の隙に、
アヤトの光を纏った拳が炸裂する!
光を受けた黒いアヤトは、後方に大きく吹っ飛ばされる!

「ウグァアアアアアアアアッ!!
……な……んだテメェ、その技は……!?
俺の……知らない力、だと……!?」

「はぁ……はぁ……ぐっ……!
知らないはずだぜ……シャドウ……!
絶望したお前に……希望を捨てたお前には、得られなかった力だ……!」

「この拳は……信じてくれた人たち、戦い続ける人たちから教わった、
希望のギフト!黎明拳だ!」

「希望の……ギフトだと……!?
クソ……!身体が……!?」

「お前がすでにシャドウの身体なら、
通ったこの拳は、ギフトの力はシャドウを浄化する。
たとえモノマキアのレギュレーションだったとしても、お前はこれで……終わりだ」
シャドウの浄化。
ギフトの力を受けたシャドウは浄化され、肉体は消滅する。
それは、たとえ元は人間だった黒いアヤトでも、
シャドウとなった以上、逃れられない最期だ。

「ク、クク……イイぜ……。テメェの勝ちだ、霧島文人。
希望を諦めた俺様には……なしえなかった力……。
それをテメェは掴んだ……証明したんだ……」

「…………」
身体が少しずつ消えゆく中、黒いアヤトは言葉を続ける。

だったら、よ……。
テメェはそれを証明し続けろ……。
霧島文人のように、道を……踏み外すなよ……

「……ああ。
霧島文人が道を踏み外したこと、俺は忘れない。
……言っただろ?背負って生きていく、って。後は俺に任せろ」

「クク……吐いた、唾……飲む、ん、じゃねェ、ぞ……」
その言葉を最後に、黒いアヤトは浄化され、消滅するのだった。

「…………終わったか。
っ……!ああ、くそ……疲れたな……!」
どさり、その場に大の字になって倒れるアヤト。

「とはいえ……部屋まで戻らないとな……。
こんなところで野宿は、流石に治安が悪すぎる……ん?」
ふと、空を見上げる。
深夜の激闘の末、すっかり時間は経ち、黒の夜空は青みを帯びていた。

「……はは、は……。
黎明、か……。」

(シャドウ、お前にとって、あのとき突き付けられた事実は絶望するには十分すぎる理由だった。
わかるさ、俺は、お前だから。
……でも、俺が折れなかったのは、人を信じることを諦めなかったから……。
多分、そこで、俺とお前は分かたれちまったんだろうな……)

「……案外、さ。どんな状況になったって、超えられるものなんだぜ……」

「どんなに暗い夜にだって、
朝日は昇るんだから、さ……」