RECORD

Eno.147 <白梟>の記録

診察

薄暗い廊下を歩く。
先程話を聞いた情報を頭の中で整理する。

ハヤト・ウツロギ。
あの子の知人…というか、同じ組織に所属する上司に話を聞いて
彼の現状と異能の制約の緩和についてを聞いた。
それから、拒否をされるかと思っていたメンタルケアの打診を申し出た。
まさかあっさりと許可が下りるとは思わなかったが…医者である事が功を奏したのか。
泊まっている号室を教えて貰い、伺いに行った所。
様変わりした様相に驚きを隠せなかった。
驚いたと共に、不謹慎だろうが美しいとすら思えた。
あれが星の影響なのか。
だとしたら、少し──。

脇道に逸れかける思考を戻す。
とりあえず、良い方には導けた筈だ。
今後も注意して彼を診ねば。
あの子がどういう存在であれ。ハヤトに変わりはない。
少しでも苦しみを緩和してあげられればそれで良い。
それが医者の役目の一つだから。

そんな事を考えていれば、自身が泊まっている部屋を危うく通り過ぎる所だった。
娘は眠っている筈。

静かに扉を開けて、パタンと閉じた。