RECORD

Eno.50 Liber·O·Igreedの記録

 ミカゼという低身長仏頂面は、口数が少ないクセに分かりやすい。
 何か言いたい時は睨んでくるし、疲れてると椅子に頭を引っ掛けて座ってるし、一人になろうとしてる時は大体悲しんでいる時。

 大体の行動が読める。読めない行動があったら、それは心境に変化があった時。
 それが頻発したのは、丁度稲刈りの時期だった。

 深堀りするまでもなく一気に周囲に知れ渡ったが、ある日を境に皆がそれに触れるのを止めた。
 ミカゼは何も言わない。言おうとしない。

 ただ、間違いなく。
 好きになった人が死んだ。

 分かりやすいんだよ、君!
 恐らくその当日から数日音信不通になるし。
 急にプランターだ土だ買い始めるし、全然興味も示さなかった園芸も勉強するし。
 
 見てるこっちが不安だって!
 そんなこんなで、僕らは何も触れずミカゼに助力するだけに留まった。

「誰も君の幸せを奪いたくはないのさ」


「誰もね」