RECORD

Eno.809 フレイムスカージの記録

馬丁の言葉

フレイムスカージ?
へえ、よう覚えておりますよ。あんな不吉な見た目、一度見りゃ忘れられません。

ここいらで赤毛つったら、要は茶髪の明るいのですよ。
あたしもガキの頃は、赤毛やい赤毛やいって言われたもんですが……
あんな火のような赤は見た事ないね。

どこぞ遠くの家から修行にってんで、ここで従騎士をしてたんですよ。
旦那様のご親戚だとかで。随分と遠い親戚だったらしいですけどね。
旦那様も何でそんなもん引き受けなさるかね……。

え?そりゃあ嫌ですよ。いくら由緒正しい血筋の嫡子たって、呪いを受けてるんでしょ。
あの髪も目も、竜の呪いのせいって言うじゃありませんか。
そりゃあ、お話しすることもありましたけど、あんまり長くは話したくなかったですよ。
みんなそうじゃないですかね。

あの金眼で見られたら、具合が悪くなりそうだ。
挙句、どんな冗談聞いてもにこりともしない。無気味なお坊っちゃまでしたよ。

ああ、そういや一遍だけ笑ってんのを見たことありますね。
あれは何だったかねえ、歳をとると物忘れが酷くてね。
随分前の話だったから……。

そうそう、傭兵と話してた時ですよ。
何かあって旦那様が雇ってたんですかね……そこまでは覚えてねえんですけどね。
名誉なき傭兵、呪われた子供。嫌われモン同士、気が合うんだと思ったのを覚えてます。

それから暫くして、フレイムスカージはいなくなっちまったんですがね。
生きてりゃ、今はもういい大人のはずですけど……ま、どっちでもいいやね。