RECORD

Eno.58 ミオリッツァの記録

あるいは境界線




 真の夜空の地平、あるいは境界線にて、
 失敗作として放り投げた星を砕き、一から新生を試みている創造主に白髪の君は言った。


「創造主よ、その力で生命を救い給え」


「それはお前に任せている」

 
「もはやこの身の使える力だけでは、生命はすべて救えぬ」

 
「すべてなど、救わずともよい」

 

 創造主は大地の欠片を嵌め込め終え、真の夜空にそれを浮かべ、生命を大地に降ろしながら言った。



「代わるものなど、いつでも造れる」



 白髪の君は、その新たな大地と生命を見た。
 滅びつつある大地と生命よりも、なお善き大地と生命を。
 そこに小さき者創られた神格は居らず、人は自明により栄えて増える。
 白髪の君は大粒の涙を流し、それが流星となって夜空を駆けた。