RECORD
Eno.307 ルカ&ファーディの記録
発作
ファーディ無しで活動する練習を進めているうちに、意外と大丈夫なのかもしれないという自信がついてきた。
……それはただの慢心だったわけだけれど。
傍についていてもらってはいたけど、正真正銘の一人で僕はモノマキアをこなした。
成し遂げられたという充実感と達成感があった。
でも、さすがに疲れたな。早く自分の部屋に戻ろう。
ファーディに心配をかけたくなくて、『大丈夫。帰ろう』と声をかけた。
思えばこれがよくなかった。
体のだるさを誤魔化しながら歩いて、宿泊所の自分の部屋に戻る。
ここで気が抜けてしまったんだろう。急激に熱さにも似た痛みが全身から湧き上がった。
反射的に体を見下ろす。胴体や四肢が、ところどころ不自然に隆起していた。
肉体の制御に失敗して変異を起こしている。まずい。体が、崩れ、
「何してやがる!」
僕の口が叫んだ。痛みは引いていた。ああ、ファーディが僕の体に入って助けてくれたんだ。
「マジで何やってんだよ、発作起こしかけてんなら早く言え」
ファーディが姿見の前に移動して服を脱いだ。
……露わになった体はあちこちが異形化していて、人間とは言い難い状態になっていた。
僕と違って肉体の制御が上手なファーディがそれを人の形に直していく。
鏡を見てもう一つ気づいたのは、ファーディがすごく怒っていることで。
僕は調子に乗っていた自分を恥じた。
『ごめんね、ファーディ。ごめん』
「殊勝で結構。だが謝られてもこのままじゃ腹の虫が治まんねえ。仕置きするわ」
『……仕置き?』
「例えばこのまま鏡の前でお前が嫌がってたあれをやるとか」
『えっ』
「読むのが嫌だっつってた本を読むのもいいな?」
『そ、それは』
「他には――……」
『や、や、』
やだとは言えない。だって先に嫌なことをファーディにしたのは僕の方だ。
たくさん心配をさせてしまったし手間もかけたのはわかっている。
でももう少し……もう少し手心を……。
『ファーディ、許して! もう黙ってたりしないから! 許して、お願い……お許し下さい! お願いです!!』
◆◆◆
許してと言われてはいそうですかと許す馬鹿がどこにいんだって話だ。
俺は思いついた限りの仕置きを実行した。
といっても道具が見つからなくて断念したものもあるし、かなり加減はした方だ。
「静かだなルカ。気絶とかしてねェよな」
『……おきてます』
「反省したか」
『はんせいしました……』
「それならよし」
これでもう適当言うことはねェだろう。多少は溜飲も下がった。
満足したところで肉体を休ませねえとな。
さっさと湯浴みを済ませて寝台に入った。
……それはただの慢心だったわけだけれど。
傍についていてもらってはいたけど、正真正銘の一人で僕はモノマキアをこなした。
成し遂げられたという充実感と達成感があった。
でも、さすがに疲れたな。早く自分の部屋に戻ろう。
ファーディに心配をかけたくなくて、『大丈夫。帰ろう』と声をかけた。
思えばこれがよくなかった。
体のだるさを誤魔化しながら歩いて、宿泊所の自分の部屋に戻る。
ここで気が抜けてしまったんだろう。急激に熱さにも似た痛みが全身から湧き上がった。
反射的に体を見下ろす。胴体や四肢が、ところどころ不自然に隆起していた。
肉体の制御に失敗して変異を起こしている。まずい。体が、崩れ、
「何してやがる!」
僕の口が叫んだ。痛みは引いていた。ああ、ファーディが僕の体に入って助けてくれたんだ。
「マジで何やってんだよ、発作起こしかけてんなら早く言え」
ファーディが姿見の前に移動して服を脱いだ。
……露わになった体はあちこちが異形化していて、人間とは言い難い状態になっていた。
僕と違って肉体の制御が上手なファーディがそれを人の形に直していく。
鏡を見てもう一つ気づいたのは、ファーディがすごく怒っていることで。
僕は調子に乗っていた自分を恥じた。
『ごめんね、ファーディ。ごめん』
「殊勝で結構。だが謝られてもこのままじゃ腹の虫が治まんねえ。仕置きするわ」
『……仕置き?』
「例えばこのまま鏡の前でお前が嫌がってたあれをやるとか」
『えっ』
「読むのが嫌だっつってた本を読むのもいいな?」
『そ、それは』
「他には――……」
『や、や、』
やだとは言えない。だって先に嫌なことをファーディにしたのは僕の方だ。
たくさん心配をさせてしまったし手間もかけたのはわかっている。
でももう少し……もう少し手心を……。
『ファーディ、許して! もう黙ってたりしないから! 許して、お願い……お許し下さい! お願いです!!』
◆◆◆
許してと言われてはいそうですかと許す馬鹿がどこにいんだって話だ。
俺は思いついた限りの仕置きを実行した。
といっても道具が見つからなくて断念したものもあるし、かなり加減はした方だ。
「静かだなルカ。気絶とかしてねェよな」
『……おきてます』
「反省したか」
『はんせいしました……』
「それならよし」
これでもう適当言うことはねェだろう。多少は溜飲も下がった。
満足したところで肉体を休ませねえとな。
さっさと湯浴みを済ませて寝台に入った。