RECORD
Eno.39 ウィーウムの記録
普段は大きな傷を負うことはあまりない。
旅の間も可能な限りは危険のないようにしているし。
もちろん、金のために多少の危険を冒すことはあるけれど。
ここでは大怪我をしてもすぐに治る。まるで冗談みたいに。
身体を破壊されて感じる衝撃も、熱も、痛みも、
最初からなかったかのように。
戦いの訓練をするのは好きだったけれど……
実際の戦いは好きではない。痛いのは嫌だ。
相手を傷つけることも恐ろしいと感じる。
どんなに闘技に慣れても、この感覚は忘れないよう。
傷から血が噴き出て、視界が赤く染まって歪む。
そのたびに、何度も、頭をよぎる。
喉を掻き切られた"私の代わり"も同じ光景を見ていたのだろうかと。
この地にあるような特別な治癒のすべが無い砂の国で、
彼がその光景を見たのは、たった一度きりだった。
傷
普段は大きな傷を負うことはあまりない。
旅の間も可能な限りは危険のないようにしているし。
もちろん、金のために多少の危険を冒すことはあるけれど。
ここでは大怪我をしてもすぐに治る。まるで冗談みたいに。
身体を破壊されて感じる衝撃も、熱も、痛みも、
最初からなかったかのように。
戦いの訓練をするのは好きだったけれど……
実際の戦いは好きではない。痛いのは嫌だ。
相手を傷つけることも恐ろしいと感じる。
どんなに闘技に慣れても、この感覚は忘れないよう。
傷から血が噴き出て、視界が赤く染まって歪む。
そのたびに、何度も、頭をよぎる。
喉を掻き切られた"私の代わり"も同じ光景を見ていたのだろうかと。
この地にあるような特別な治癒のすべが無い砂の国で、
彼がその光景を見たのは、たった一度きりだった。