RECORD

Eno.307 ルカ&ファーディの記録

恐れ

約束の日が近い。僕は……。大丈夫。やりきれる。
大丈夫。大丈夫。本当に?
……大丈夫。完璧にはできないかもしれないけど。
それでも最低限、なすべきことは必ずやり遂げる。

心構えは沢山勉強した。巻き戻りのない死がどんなものか、ファーディが口頭で教えてくれた。
……ファーディは、僕がつらくならないように代わりに見てきたから。知っている。
その大変さを思うと心が痛くなって、今回と関係無いところで泣きそうになったらしい。慌てて慰められた。

こんな調子で本当にやれるのかな。大丈夫。頑張れる。
不安になる度、自分を鼓舞する。それでもどこか心細くて、鏡を見た。
ああ、ファーディが映ってくれればいいのに。
そこにいたのは浮かない顔をしているルカだ。

ファーディは僕の中で寄り添ってくれているけれど。
世界のどこを見渡しても、ファーディはいない。急に寂しくなる。
……ううん、経験の無いことで必要以上に不安になってしまってるだけだ。大丈夫。大丈夫……。

◆◆◆

約束の日が近い。俺がやることは問題ねェ。
正直懸念がねェと言えば嘘になるんだが、それでも今はルカの方が心配だ。

大丈夫、大丈夫と繰り返し言うルカはあまり大丈夫に見えない。
これ、自分に言い聞かせてるだけじゃねーか……?

俺はともかく、ルカに安請け合いさせるべきじゃなかったのかもしれねえ。
やることの重みを正確に測って止められなかった俺のミスだ。

こうなったら『やってみたら案外なんてことなかった』となってくれるのを願うしかねェ。
……ルカがそんなことになるだろうか。
何でもいい。とにかく無事でいて欲しい。