RECORD
Eno.58 ミオリッツァの記録
原始
始めにそれが現れた。世界を創造する者。万物の創造主であり概念の製作者。
鉄槌を振るい無から有を鍛造する、感情の存在も怪しい、被造し続ける者。あるいは存り続ける者。
六つの大陸に八つの宗教が存在するこの世界において、あらゆる宗教で世界の創造主と語られる者。
それは後に自らゲベライオンと名乗り、生命が讃え崇め、名を口にすることを許した。
創造主はまずはじめに闇を鍛造し、光を鍛造し、大地を鍛造し、失敗作を次々に放り投げた。
それはやがて創造主の被造した概念、摂理、法則によって星空となり、創造主は成功した大地に栄えさせる生命を作り出す。
しかし生命らしい生命が生きるにはまだ大地は未成熟だった。創造主は海を作って、まずそこに星の支えとなる緑を植えた。
創造主は虫を解き放ち、魚を海に流した。しばし作業に取り組んだのちに、創造主はするべきことをするために、自分の分身ともいうべき者を作った。
その者は自分よりも小さかったが、始点と終点を常に持ち合わせ、始まりと終わりを結ぶ者だ。世の理を書き換えて、修復する者。
彼の名は「小さき者」といった。創造主は彼を作り終えた後、彼を元としてさらに小さく、遥かに小さい創造の神秘を内包した生命を創った。時間という概念を創り、生命すべてに終わりを定めを与えた。その後、創造主はそれを大地に並べ、「生きて増えよ」と言った。これが人である。
そうして人が生きるために方々に散り、知識を使い生と死を繰り返す中で、創造主は「小さき者」を作り終えた。創造主がもっとも時間と手間をかけて作った、自らの分け身、自らの理想と夢を詰め込んだ神格だ。創造主は彼を大地に派遣し、「生命と共に生きよ」と言った。
かくして、世界はようやく語られる形と相成った。
人々は生きるために死に、死に向かい歩くために生きた。
六つの大陸の方々を開拓し、異なる風土、異なる哲学の下に八つの宗教を創始した。
「小さき者」は世界の端から端に至るまで、どこにでも在る者であった。
彼は生命と共に生き、生命と共に祭事をこなし、創造主への祈りと世の今を伝える知らせを献上し続けた。
大地の恵みによって育まれる生命と、収穫と、食事と、喜びを知り、病と死を癒した。
杖と道が齎された。
これが原始の時代だ。
「小さき者」は「白髪の君」と呼ばれ、三つの宗教で信仰される神となった。
そうして、時代は移り変わる。
鉄槌を振るい無から有を鍛造する、感情の存在も怪しい、被造し続ける者。あるいは存り続ける者。
六つの大陸に八つの宗教が存在するこの世界において、あらゆる宗教で世界の創造主と語られる者。
それは後に自らゲベライオンと名乗り、生命が讃え崇め、名を口にすることを許した。
創造主はまずはじめに闇を鍛造し、光を鍛造し、大地を鍛造し、失敗作を次々に放り投げた。
それはやがて創造主の被造した概念、摂理、法則によって星空となり、創造主は成功した大地に栄えさせる生命を作り出す。
しかし生命らしい生命が生きるにはまだ大地は未成熟だった。創造主は海を作って、まずそこに星の支えとなる緑を植えた。
創造主は虫を解き放ち、魚を海に流した。しばし作業に取り組んだのちに、創造主はするべきことをするために、自分の分身ともいうべき者を作った。
その者は自分よりも小さかったが、始点と終点を常に持ち合わせ、始まりと終わりを結ぶ者だ。世の理を書き換えて、修復する者。
彼の名は「小さき者」といった。創造主は彼を作り終えた後、彼を元としてさらに小さく、遥かに小さい創造の神秘を内包した生命を創った。時間という概念を創り、生命すべてに終わりを定めを与えた。その後、創造主はそれを大地に並べ、「生きて増えよ」と言った。これが人である。
そうして人が生きるために方々に散り、知識を使い生と死を繰り返す中で、創造主は「小さき者」を作り終えた。創造主がもっとも時間と手間をかけて作った、自らの分け身、自らの理想と夢を詰め込んだ神格だ。創造主は彼を大地に派遣し、「生命と共に生きよ」と言った。
かくして、世界はようやく語られる形と相成った。
人々は生きるために死に、死に向かい歩くために生きた。
六つの大陸の方々を開拓し、異なる風土、異なる哲学の下に八つの宗教を創始した。
「小さき者」は世界の端から端に至るまで、どこにでも在る者であった。
彼は生命と共に生き、生命と共に祭事をこなし、創造主への祈りと世の今を伝える知らせを献上し続けた。
大地の恵みによって育まれる生命と、収穫と、食事と、喜びを知り、病と死を癒した。
杖と道が齎された。
これが原始の時代だ。
「小さき者」は「白髪の君」と呼ばれ、三つの宗教で信仰される神となった。
そうして、時代は移り変わる。