RECORD

Eno.330 ユラカイト・イチヤの記録

別世界の闇にて 5








ヤマタを倒した男は、後始末をしながら大剣を次元の穴に投げ入れる。






少しため息を吐いて、頂点の光を見ながら片割れ知一を思い浮かべる。


















「Tomokazu…」


「Gezes Har-fngu Neltserb… Ratwal Evl.」




















この世界の言葉を呟いて、より深い暗闇へと進んだ。


















男は道中、不自然な形をした石を見つけた。






大きさは男の肩幅ほどあり、単に石というよりも石板の方が近い。






その石板には、ここでよく使われる言葉が書かれている。


















この霊峰は、御伽噺や神話から生まれた“超獣”が集う場であり、ラムロンの子に加護を授けていた。



民衆からも感謝をしながら、その霊峰や超獣らにお供えや祈り、時には祭りを開いた。



お互いに喜び合えるよう、人々と超獣は平和に暮らしていた。












しかし、突如として現れた“蒼狼の一族”が、



その世界を支えていた五柱の龍神を打倒し、霊峰『ヤウタイ』を拠点として侵略を始めた。






数百回にわたってラムロンに暴嵐を吹かせ、街や村を崩壊する。



元々住んでいた超獣らを操り、使い捨ての下僕として働かせる。



霊峰を儀式の場として、本来の役割を捻じ曲げる。






…とても許せるとは思えない、いや許してはいけないことをした。






そんな身勝手気ままな集団に怒りを抱きつつ、人々はどうしようもないと嘆いた時


















__不思議な装いをした男が、村だった場所の真ん中に現れた。












彼は、『ユーラカイト・イチヤ』と名乗った。


















この石板を読んだ男は、口を開けたまま呆然としている。






まさか、あの出来事があってから残した者がいたとは。


















「……Feldyi Var-sd.」








前を向いてからまた呟いて、少し速めに歩き始めた。